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back.gif028 鉄の染色について

ギリシア語錬金術文献集成

錬金術断片集

029
ペルシアで発見された銅の染色、ピリッポス治下に書かれたる








ペルシアで発見された銅の染色、ピリッポス治下に書かれたる
(Bafh; tou: para; PevrsaiV ejxeurhmevnou calkou: grafei:sa ajpo; ajrch:V filivppou)
(e cod. Venet. Marc. 299, fol. 118r)



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ペルシアで発見された銅の染色、ピリッポス治下に書かれたる

 比較的上方にあるトゥティア(qouqiva)〔カドミア〕を望むだけ取って、搗き砕き、きわめて目の細かい篩で篩にかけよ。そして陶製の容器に入れ、この上に、望みの油――普通のオリーブ油でもゴマ油でも――を追加投入せよ。そして、トゥティアに油を加え混ぜながら、陶製の容器の中ですり潰しながら、トゥティアが油で満たされ、もはや油を吸わなくなるまで、手で調合せよ。そして充分に吸収したと見たら、同じ油をもう一度追加投入し、泥状になるまで加え混ぜ合わせよ。そして、いわゆる紅い香錠と言われるフェニキア香錠から、アラビアのnathvfを、トゥティアの1/5取って、これを、陶製の道具の中であらかじめやわらかくされたトゥティア――雑多でなく、ごく大きくもなく、小さなものに粉々にされた――の上に投入せよ。そして焼きがま(klibavnoV)を強烈至極な火で加熱して、この焼きがまの中にその道具を入れよ、焼きがまの口を封泥して、翌日まで。こうするこで、焼かれ、トゥティアが黒くなるはずである。そして翌日、引き出して、すり潰し、目の細かい篩でふるい分けよ。

 しかし、ペルシアでは染色されない方がよいものよりも上位にある銅を染色したいときには、キュプロス産の美しい銅2分量と、乾燥したトゥティアによってあらかじめこしらえ方されたものから1分量とを取れ。そしてどうを、できるかぎり小さな部分に粉々にし、これに乾燥剤を加え混ぜよ。347 1 そして両方を坩堝に入れ、銅が乾燥剤で沸騰するまで、激しく鞴で吹け。そして沸騰したとき、両方がひとつになるまで、もう一度多くの鞴で石炭をあてよ。そして色の美しさを知りたければ、尖端のまがった一種の鉄具を取れ、そして先端だけを使って引き出し、観察せよ。そして色が充分なら、鞴をやめよ。しかしまだ充分でないなら、鞴と石炭をさらに加えよ。というのは、石炭による鞴は、余分にかければかけるほど、問題となっているものはよりよく仕上げられるからである。

2010.07.31. 訳了。




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