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ギリシア語錬金術文献集成

TLG1379

錬金術断片集

061
往古の人たちのいうアスベストスとは何か?







往古の人たちのいうアスベストスとは何か?
(TivV hJ tw:n ajrcaivwn a[sbestoV)

(e cod. Venet. Marc. 299, fol. 99r)



061 2 279 1t
往古の人たちのいうアスベストスとは何か?

 さて、課業(pravgma)がかくのごとくであり、自然がみずからを捉まえるとき、往古の人たちの音に聞こえたアスベストスへとたどりつく。これこそは、諸々の石のうち消和されない石灰(hJ tw:n livqwn tivtanoV ajsbestoumevnh)と違って白化されることはなく、逆に黒化されさえするのである。というのは、この種類(ei\doV)が粉末にされ、自然な湿が分離されると、黒い質料は下方の小皿(patevllion)の中で焙焼され、黒化し、アスベストス — これは再び把握されたものである — と名づけられ、みずからの霊魂と合一し、適度な温度をもった無害炉の中に15にちないし時間置かれ、このような炉から取りあげられ、道具を使って固有の蒸気に分けられ、噴きあげられたものが白いのが見出されたら、アスベストスによるものをつくる。ただし黄色い場合は、第一溶錬からできるものをつくる。なぜなら、これら2つの湿ったものは、ただ色を除くかぎり、もとのものと何ら異ならないからである。すなわち、彼らはかくのごとくに判断して、染色し、固着させるのである。ただし、第一の火の性質は、それらの異質性を示す、とりわけ、黄色い〔質料〕とか白い〔質料〕といった一つの質料に属する場合はそうである、なぜならヘルメースが謂っているからである、「偉大な神は、最初期に、あるものではなく、あらゆるものらを、孔雀石としてつくりたもう。火の大いなる熱が、最初、水銀化の力といっしょになって全体(to; pa:n)を制作する、と。その最初の〔熱〕が制作しなければ、第二のものが現れることはまったくないのである。というのも、それ〔最初の熱〕は多くの過誤と無縁ではなく、褪色する蒸気の母であるばかりでなく、求められる色を常にもたらすというわけでもないからである。

2009.11.14.




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