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back.gif哲学者ステパノス

ギリシア語錬金術文献集成

TLG 9021

錬金術師ステパノス

001
偉大なる聖なる術知
(De magna et sacra arte)



人物

 A.D. 7世紀、アレクサンドリアの錬金術師。哲学者ステパノスとしばしば混同される。

底本
TLG 9021
STEPHANUS Alchem.
fiq Stephanus Phil.
A.D. 7
Alexandrinus

TLG 9021 001
De magna et sacra arte (sub nomine Stephani Alexandrini philosophi)
Alt. Title: Stefavnou =AlexandrevwV oijkoumenikou: filospvfou kai; didaskavlou th:V megavlhV kai; iJera:V tauvthV tevcnhV peri; crusopoiivaV
Alchem.
J.L. Ideler, Physici et medici Graeci minores, vol. 2, Berlin: Reimer, 1842 (repr. Amsterdam: Hakkert, 1963): 199-253.


偉大なる聖なる術知

(sub nomine Stephani Alexandrini philosophi)


9021 001 199
1t

世界的な哲学者にして
2t
偉大にして聖なる術知の教師
3t
アレクサンドリア人ステパノスの〔書〕金づくりについて/神のお助けにて
4t
課業1

2.199.6
 全ての善きものらの原因にして、あらゆるものらの王たる神と、それ〔神〕から代々の前に聖なる霊とともに輝き出でたる独り子とを讃美し終え、また、それ〔神〕の知の照明をもわたしたちのために嘆願し終えたので、手許の行事であるこの著書の最美なる実を摘むことを始めよう、そうすれば、真実を搾り出せるとわたしたちは信じる。そこで今や、真実なる自然観想から問題が設定さるべきである。おお、自然(fuvsiV) — 諸々の自然に勝利する自然を超えた自然よ、おお、自然 — おのれを超えて処理され、諸々の自然を跳び越え踏み越える自然よ、おお、自然 — おのれを超えて全てを産出し充足する一にして同一の自然よ、おお、合一(e{nwsiV) — 増殖し、区別が一体化される合一よ、おお、同一にして余所者ならぬ自然 — おのれから全てを保存する自然よ、おお、質料(u{lh) — 非質料的質料を統括する質料と、おお、自然 — 自然に打ち勝ち歓喜する自然よ、おお、自然 — 霊的実在(u{parxiV)を輝き出す天的自然よ、おお、諸々の体を非体化する非体的体(ajswvmaton sw:ma)よ、おお、全ての宇宙的秩序を遍照する月の軌道よ、おお、最も類的な種(genikwvtaton ei\doV)と最も種的な類(eijdikwvtaton gevnoV)よ、おお、自然 — 自然を超えて諸々の自然に真に打ち勝つ自然よ、云え、おのれからおのれ自身を再び親しく歓迎する自然、あるいは、火を通さぬ硫黄と、火を寄せつけぬ張力を有する自然、多名の形相にして多相の 200 本名、経験ゆたかな自然にして展開(ejxavplwsiV)、多彩に彩られた虹、全てをおのれ自身から闡明する〔自然〕とはいかなる自然かを。おお、自然 — 同一にして、自然を他〔の自然〕から見えさせることなき自然よ、おお、等(o{moion) — から見えいずる等よ、海 — 色とりどりの真珠を蒸発させる大洋なす海よ、おお、地表を装うテトラソーミア〔4金属の合金〕の結びつき(suvllhyiV tetraswmivaV)よ、おお、3つの三位の刻銘と、あらゆる封印の備えよ、おお、全てが神秘を纏う因たるマグネーシアの体よ。おお、天上の黄金葺きの流れと、海から遣わされる銀を戴く霊気よ、おお、銀の胸当てを外衣として身につけ、黄金酵母の巻き毛を持つ〔マグネーシア〕よ、おお、最高の知恵をふくむ思いつきの美しき鍛錬よ、おお、最も神的な人たちの知恵ある全創造よ、入信せざる者たちによっては探し出すことのかなわぬ大海よ、おお、虚栄心強き者たちによっては先に捉えられることなき無経験よ、

204.1
おお、かような製法を教え、その作業を表示するその知恵よ。白衣をまとい、 その白さをあたりに激しく輝かせる月よ。さあ、疑わしきことを見逃すことのないよう、月の輝きとは何かを学ぽうではないか。同じことは、白い雪にも、白く輝く目にも、進行をつかさどる婚礼の行列用の外衣にも、また、一点のしみもないキトン〔古代ギリシアの下着)、観念で組み立てられた美しい形相、完全なるものの純白の組成、すっかりできあがった凝乳、月に、照らされた夜明けの泡立つ海、リディアのマグネシア、イタリアの輝安鉱、アカイアの黄鉄鉱、アルパニアの黄鉄鉱、多くの名前をもっ良好な作用をする物質。 r全jを眠りにつかせるもの、 r全jであるところの『ーjを担うもの、驚くべき作用をやりとげるもの、これらのものについてもいえるからである。その月のこの放射物はいったい何なのか。私はそれを隠さずに、探りあてた美を明々白々に示したい。というのは、月の放射物はそこに隠されたる神秘であり、もっとも価値ある真珠であり、炎を帯びた月長石、金をちりばめたキトン、金の液体の食物、金色の宇宙のきらめき、勝利の戦士、王の外衣、紛れもない真の紫衣、もっとも価値ある栄冠、火なき硫黄〔硫黄はもともと火と黄を意味する.火なき硫黄とは黄色のこと)、諸物体の支配者、すっかり黄色のもの、隠された宝、月を休息所とするところのものだから.……それは見てのごとく白いが、その意味するところは黄色であるから、定められた月にとっての花婿、月から落ちる金の滴、月からの輝くばかりの放射物、変化しえぬ抱擁、消し去ることのできない軌道、神より授かった仕事、すばらしき金づくりであるから。 204.27


205.2
賢者はできる限り完全に謎めいて語る。彼は、教師があらゆるととを解明するようにこう宣言する。“蒸気と水の沸騰以外には残されたものとて何もなく、欠けるものとて何もない"と。この言葉の中に全体の製法が示され、次のようなことすべてが数語で表現されている。すなわち、汝ら、多量の物質の中に動く物を埋ずめることはできないこと。また、キリキアのサフラン、ルリハコベ(anagallis)という植物、そしてポントスの尖翼を自ら考えることはかなわぬこと。まL、その他の液汁、四足獣およびいくつかの獣の胆汁、岩石および有害な鉱物や、単一なる本性をもち、完全なるものをつくりあげるような事物とは異なっているもの、それらを汝らは考えることはかなわぬこと。さまよえる人びとは、生まれながらに、実在せぬものを求めようとはしないがゆえに、真実から遠ざかることはないであろうことなど。そのほか何があろうか?すべての徳をもつもっとも卓越した人や助言者は、彼らの向きを変え、真実の見方にひっぱっていくのである。したがって、汝らは、私が述べたように、原料炉やガラス器具、蒸留器(ランピキ)、種々のフラスコ、ケログキスの生成物および昇華物について留意すべきではない。そしてそのような事物にいたずらにかかわる人ぴとに対して、賢者たちは、疲労という重荷を語ることになる。 -/おお、かような製法を教え、その作業を表示するその知恵よ。白衣をまとい、 その白さをあたりに激しく輝かせる月よ。さあ、疑わしきことを見逃すことのないよう、月の輝きとは何かを学ぽうではないか。同じことは、白い雪にも、白く輝く目にも、進行をつかさどる婚礼の行列用の外衣にも、また、一点のしみもないキトン〔古代ギリシアの下着)、観念で組み立てられた美しい形相、完全なるものの純白の組成、すっかりできあがった凝乳、月に、照らされた夜明けの泡立つ海、リディアのマグネシア、イタリアの輝安鉱、アカイアの黄鉄鉱、アルパニアの黄鉄鉱、多くの名前をもっ良好な作用をする物質。 r全jを眠りにつかせるもの、 r全jであるところの『ーjを担うもの、驚くべき作用をやりとげるもの、これらのものについてもいえるからである。その月のこの放射物はいったい何なのか。私はそれを隠さずに、探りあてた美を明々白々に示したい。というのは、月の放射物

2014.11.10.


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