ギリシア語錬金術文献集成
TLG4324
キュレーネーのシュネシウス
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[人物]
シュネシウスは4世紀の歴史上重要な人物である。彼は415年に死んだ。彼は、町の主要人物であり、かつ野蛮人から町を守ってくれる人として、同国人により、キュレーネー学派のプトレマイオス司教に任命された(401年)。シュネシウスは奇妙な司教であった。結婚により、妻帯はおろか、子供までもち、信仰の点では、かろうじてキリスト教徒といえる程度であった。というのは、彼は、哲学に反する教義を信じないからである。天文学者、物理学者、農学者、狩猟家であり、皇帝アルカディウスのもとで、コンスタンチノープル駐在の大使であった彼は、まず第一に異教徒であったが総大司教テオフィリウスの友達でもあった。総大司教テオフィリウスは多くの事情があるにもかかわらず、彼を司教に任じたのである。彼が人民に対し真実を隠さなければならないと述べた宣言をも受け入れ、依然として妻帯を許していた。手短にいえば、シュネシウスは、普遍的な精神の持主であった。1631年、彼の著作品はパリで、聖キュリロス(827-869)の著作品とともに出版された。それは、新プラトーン主義に関係する種々の哲学上の作品と、興味深い手紙を含んでいる。これにより、シュネシウスについては、ヒュパティアへの1通の手紙が知られている。このヒュパティアはアレキサンドリアの有名な哲学者で、後、キリスト教信者によって暗殺された。この手紙は、浮秤についての最初の報告を載せている。
(ベルトゥロ『錬金術の起源』p.176-177)
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(e cod. Venet. Marc. 299, fol. 163r)
2589 001 2 69 12t
13t
14t
2.69.15
2014.11.10.
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