ヘーリオドーロス
ギリシア語錬金術文献集成
TLG 4338
テオプラストス
001
哲学者テオプラストスの〔書〕『神的な術知について』イアムボス詩で
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[人物]
A.D. 7?、詩人、錬金術師。
哲学者テオプラストスの〔書〕『神的な術知について』イアムボス詩で
(Qeofravstou filosovfou peri; th:V qeivaV tevcnhV dia; stivcwn ijavmbwn)
(fort. auctore Heliodoro alchemista et poeta)〔もしかすると著者は錬金術師にして詩人ヘーリオドーロス〕
(e cod. Casselano)
4338 001 1t
哲学者テオプラストスの〔書〕『神的な術知について』
2t
イアムボス詩で
1
ソフィストという人たちは、弁論家たちのごとく
幸せであり、
141
ら馬糞の中に20日間晒され
一匹の龍がそこから飛び出し龍はその尻尾をむさぼりつくす。この龍はウロボロスと呼ばれ
みかけは白色で皮膚に斑点があり
見たところとても奇妙な形姿をしている。
それが誕生したときそれは合一せる事物の熱にして湿なる成分から飛び出した。
雌雄の抱擁一一海中で起こった合一ー一ーが
すでに述べたようにこの龍を生んだのである。怪物は火をもって全世界を燐きつくし
その全腕力とよろいかぶとを誇示した
それはナイルの流れで泳ぎ居を占めるようになる。そのかすかに輝く皮膚と
その身をとりまくすべての縞は
金のように輝きかすかな光できらめく。
この龍を海の中で熟達した技法をもってつかまえ殺害せよ。そして汝の熱と湿とを両刃にもつナイフをすばやくふるえ。すると龍のしかばねはニつに裂かれる。
胆のうを取り出しその黒ずんだものを取り除け。それは土的な胆汁の重さでずっしりと童い
湯気もうもうの大量の煙霧がそこから立ち昇り
昇るにつれて濃密になり海から龍をはこぴだすほどになる。そして龍を熱い場所までひきあげよ。
気の湿はその軽くなった形姿を支える。そのときその成分物質がすっかり燃えつきてしまわぬよう
最大の注意を払え。
そしてその本性を冷たい隙間風とともに聖なる流れへと変成せよ。それから
水銀を口のあいた査に注げそして
聖なる液体たるその流れが流れることを止めるとき黒ずんだ土のかすを洗い流せ?。
かくて暗黒が穂の腹わたの中に隠したものを明澄にしたので
汝は言い表せないような神秘を明るみにもち来すであろう。
というのはそれはこの上なく明るし澄んで輝くばかりであろうしそれはすっかり白色に染めあげられ
その黒さはすっかり白色に変えられているのでそれは驚くほど鮮やかに現れるであろうから
というのは雲をはこぶ雨(水)がそこに注ぐとき
それはどんな黒い土的な汚点もことごとく洗い流すからかくて龍は完全に死んでいるにかかわらず
ネクタール〔不老不死の神酒〕を飲むことによって容易に自らを解き放つのである
龍はもてるすべての富を死すべきものたちへ注ぎ地上に生を享げたものたちは
驚くべき神秘一一固定されると
本質的にまばゆく輝く銀に変わるというその神秘を見出すならば
龍の助けをかりで生涯を豊かに支えられる。その金属は土的汚点を少しももたず
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きわめて明るく、澄んでいて、驚くほど白いのである。
2014.11.10.
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