059 錬金論
ギリシア語錬金術文献集成
TLG4319
ゾーシモス
060
神的な水について
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神的な水について
(Peri; tou: qeivou u{datoV)
(e codd. Venet. Marc. 299, fol. 188r;
Paris. B.N. gr. 2325, fol. 82r + 2327, fol. 80r; Laur. gr.86.16, fol. 83v)
〔009と有意の違いは認められない。〕
060 1t
神的な水について
これは神的にして大いなる神秘、求められているものである。すなわちこれがすべて(to; pa:n)である。というのは、自然は2つ、有性〔本質〕(oujsiva)は1つ。1つ〔の自然〕が1つ〔の自然〕を引き寄せ、1つ〔の自然〕が1つ〔の自然〕を支配するのである。これは銀の水、男女(ajrsenovqhlu)、常に逃れるもの、固有のものらへと衝きうごかされるもの、神的な水であって、万人が知らぬもの、その自然は観察しがたきものである。というのは、金属でもなく、常に動く水でもなく、体でもない、というのは、支配されることがないからである。これは全体(to; pa:n)の中の全体(to; pa:n)である。というのも、生命と霊を有し、破壊的なものであるから。これを思惟する者は、金でも銀でも保有する。その力能は隠されているが、恋人(=ErwtuvloV)に依存している。
2009.05.21.
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