061 図式(Diagramma)
ゾーシモスの〔書〕 諸々の器具と諸々の炉について (Zwsivmou peri; ojrgavnwn kai; kamivnwn) (e codd. Venet. Marc. 299, fol. 186r, 195r + Paris. B.N. gr. 2327, fol. 83r + Laur. gr. 86.16,fol. 88r) 062 1t メンピスの古い神殿で、粉々になった一種の炉をわたしは見たことがありますが、秘儀に与る神官たちは、これの組み立て方さえ見出せませんでした。元気を出しなさい。じっさい、諸々の器具の多くのこしらえ方 硫黄の水のみならず、保温盤や諸々の炉の数多くの種類 は、マリアによって書かれているのです。そっこで、硫黄の諸々の器具は、何にもまして仕上げることが必要です、とりわけ、それらは何にもまして必要でもあるのですから。 そこで、貴女の図に何か言い残していると思われないために、マリアの炉も貴女のもとにあるとしよう。これについては、アガトダイモーンも『ロゴス』の中で次のように言及しています。<……>。保温盤の宙に浮いた硫黄の論文は以下のごとき内容です。平鉢(fiavlh)を取って、 すべすべにせよ、あるいは、平鉢の底を、その中央で円形に石で切り取り、程よい酢の受け皿(ojxuvbafon)が下に嵌りこむようにしなさい。そうして、平鉢にぴったり合致する陶製の小さな容器を取って、平鉢の上に逆にして、これに浮き上がるようにしなさい。<……>ただし、鉄製の保温盤の上には届くものとします。そうして、望む金属片か、あるいは、この書が、この容器や保温盤によって平鉢と同時に要請するものを上に置いて、外から見えるようにします。また、接続部をぐるりと密封して、この論文が言う刻限ないし日数の間、煮沸しなさい。これが、宙に浮いた硫黄であり、同じく宙に浮いた雄黄です。容器の真ん中に針の小さな穴を穿ちなさい。別の硝子製の平鉢で蓋をしなさい。†この陶製の容器は、カラスノエンドウ〔Dsc.II-131〕の立方体には似てい<ません>が、容器の立方体には似ているとしなさい†。 だが、マリアが謂うには、この炉は天火仕様であり、上に3つのmazavV、あるいはajnovch、ないしsuvronthを有するのです。そこで、ギリシア産の葦でゆっくりと、2昼夜ないし3昼夜、染色の対象となるものを焙焼し、そして炉の中で冷めるにまかせなさい。まる1日の間、アスファルトをふりかけなさい。貴女が知っているものや、白ないし黄色の銅をも加えながら。さて、こういうふうになることができ、<……>。 そうして、濾し器仕様の器具は白化し、黄化し、イオス化し、ちょっと加熱して色艶を出し、軟化薬の(katabafhv)を実行し、また、貴女が思いつくかぎりのものらをもそうするのです。これがこの製法です<……>。 保温盤上の容器 平皿を覆いかくす陶製の容器が孔を持っているのは、白化ないし黄化しているかどうかを調べるためです。しかし陶器の孔が別の平皿によって蓋をされるのは、これを通して漏れるものがないようにするためです。これの〔蟹のような〕蒸留器状のものも同じことをし、それを煮沸するが、それは1日を要する。もしも煮沸と加熱とが別々のことであるなら、炉の必要性は2つ、第一には光ないし細口壺(lhvkuqoV)のそれ、次いでは保温盤ないし†柘植材の箱(puxavdwn)†ないし広口瓶(bou:kloV)のそれです。もしも〔蟹のような〕蒸留器状のもの、ないし、それに類したものらが、保温盤で煮沸されるために上に置かれるか、延長されるかするならば、溶けないもののようにするでしょう。 [古のゾーシモスは、言った。2つ働きを内容とするひとつの論文をわたしは知っている。ひとつは、†rJith:V†によって溶かすためのもの、第二は鉛の湿性によって乾燥させられるためのものである。†swvan ajkevrean kai; ajkevnoth†つまり、これは凝結され、乾燥されるであろう。] 2010.05.12. 訳了。 |