067 同じゾーシモスの作品/作業III
ギリシア語錬金術文献集成
TLG4319
ゾーシモス
068
ゾーシモスがアスベストスについて言う
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ゾーシモスがアスベストスについて言う
(ZwsivmoV levgei peri; th:V ajsbevstou)
(e codd. Venet. Marc. 299, fol. 95r + Paris. B.N. gr. 2327, fol. 8r + Laur. gr. 86.16, fol.262v)
068 1t
ゾーシモスがアスベストスについて言う
〔003とくらべると、最後の1段落が欠ける以外、有意の違いは認められない。〕
あなたがたに明らかにしよう。すなわち、石灰質の雪花石膏ajlabastrivthVという石が脳髄(ejgkevfaloV)と呼ばれてきたのは、これがあらゆる染色の褪色を〔防いで〕定着させるものだからであることは、よく知られている。そこで、雪花石膏の鉱石(ajlabavstrinon livqoV)をとって、一昼夜加熱し、アスベストスを入手せよ。そして、最もきつい酸をとって、消和させよ。そうすれば、神的な製法に驚くことであろう。外見上最高の白さを実現させるからである。そこで、安定するままにして、蓋の閉じていない、蓋の開いた〔容器〕で、これに最もきつい酸を加えよ、そうすれば、発散する蒸気をひとりでに除去できよう。さらに、きつい酸をとって、7日間、蒸気を除去する。蒸気が立ちのぼることのなくなるまでこれを行え。そうして、40日間、既定の時間の太陽ないし露の中に放置し、雨水によって甘くせよ、そうして天日に干して、伝授されざる神秘を入手せよ、これは、預言者たちの誰ひとりとしてあえて言葉で秘儀の手ほどきをしようとはせず、自分たちの中の首肯する者たちにのみ秘儀の手ほどきをしてきたものである。というのは、この要点を、あやふやな書の中で、石にして石にあらざるもの、知られざるものにして万人周知のもの、無価値にして高価なるもの、賜物ならずして神からの賜物と呼んだのである。そこでわたしもこれを讃えよう 賜物ならずして神からの賜物、わたしたちの活動において質料的なものよりまさった唯一のものだと。というのは、この薬こそ、効能を有するもの、ミトラの神秘だからである。
というのは、火の霊は石と合一し、独生する霊(pneu:ma monogenevV)となるのである。そこで、石の働きをあなたがたに解説しよう。混ぜ合わされたコマリス(kovmari)によって真珠を完成する、だからこそこれを〔人々は〕金-石(crusovliqoV)〔トパーズ〕と呼んだのである。万物は、乾燥剤の効能によって、霊を狩り出す。わたしもコマリスをあなたがたに解説しよう、これが誰ひとり敢えて手引きしようとしなかったことであり、首肯する者たちに自ら伝授したことである。女性の力そのものをより価値あるものとして保持している。というのは、白化そのもの、そして白化のみが、あらゆる預言者の崇拝するところであったから。あなたがたに真珠の効能をも解説しよう。油で煮られて働きを有するが、これは女性の力である。アシア産の真珠を取り、油で煮よ、蓋のあるものではなく蓋のないもので、3刻の間、光の中で。そして羊毛の布切れを取り、油が抜けるよう、真珠をこすれ。そうして、染色(katabafhv)の必要のあるまで保持せよ。なぜなら、質料の完成はこの真珠に依るからである。
2009.08.08.
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