カリクセナ(Xarice/na)

 前6世紀の有名な遊女という。「カリクセネーの時代」〔古きよき時代の意〕という諺がある。




[底本]

D. Campbell, Greek Lyric IV, Loeb Classical, Harvard, 1992

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 Phot. Lex. =Et. Gen. B
 カリクセネーの時代。カリクセネーは昔の笛吹女にして作曲家、またある人たちによれば抒情詩作者でもあるという。テオポムポスは『セイレーンたち』(fr.51 K.-A.)の中で、

彼女はカリクセネーの時代のような
腐った曲を笛で吹く。
クラティノスは『オデュッセウスたち』(fr.153 K.-A.)の中で、
カリクセネーの時代の遣り口のような、
そんな遣り口はもはやないことを彼女は知らない。
アリストパネースは『女たちの議会』(943)で、
カリクセネーの時代の遣り口

 Prov. cod. Par. suppl. 676 = Hsch. E5413
 カリクセネーの時代。カリクセネーが愚かさで世に知れわたった所以は、自分が古風であることを知らなかったからである。しかし一部の人たちは、彼女は恋歌の作者でもあったと言う。さらにまた、カリクセネーの時代の遣り口というような諺もある。



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