エレゲイオン調詩の謎かけ女流詩人。前600頃(?)。
クレオブゥリネーの作として、エレゲイオン調の二つの謎かけ(断片2はすでに前400年頃に知られており、断片1はアリストテレスに知られている〔『詩学』1458a30、『弁論術』1405b1〕)と、ヘクサメトロス詩型の一つの謎かけが挙げられている。しかし、後者の場合については、ディオゲネス・ライエルティオスが、3000行の謎かけヘクサメトロス詩を彼女の父親リンドスのクレオブゥロスの作としているのと同じくらい疑わしい。
(ダイアナ・パウダー『古代ギリシア人名事典』)
[底本]
TLG 0244
CLEOBULINA Scriptor Aenigmatum
(6 B.C.: Lindia)
1 1
0244 001
Fragmenta, ed. M.L. West, Iambi et elegi Graeci, vol. 2. Oxford:
Clarendon Press, 1972: 50-51.
frr. 1-3.
5
(Q: 38: Eleg.)
断片1
火を使って青銅を人の上に接合している人を見た
くっつけすぎて、血族にしちゃった。
〔青銅製の吸い玉を身体にあてている人のこと。吸い玉を熱してから、あらかじめ傷口をつけておいた皮膚に密着させると、冷えるにしたがって血が吸い出される。〕
断片2
力ずくで盗みをはたらき欺く人を見た、
力ずくで行うことこそが最高の正義である。
〔?〕
断片3
驢馬の屍体が、角のある脛でわたしの耳を打った。
〔?〕