メリンノー(Melinnwv)

 ローマの強国時代、5編のサッポー風スタンザの作者として、ストバイオス(3.7.12)によって誤って引用された女流詩人。用語は合唱用抒情詩に近いにもかかわらず、ストバイオスは彼女をレスボス出身とした。年代は論争の的で、諸々の示唆は、前3世紀から元首時代初期(後者はスタティウスと共有する韻律的特徴を根拠にしている)にまで分布している。共和制への言及の不在が、共和時代を示唆している。前2世紀初期が最もありそうな年代である。イメージや考え方の類似にもかかわらず、ラテン詩の影響を受けたとする理由はない。
 (OCD)




[底本]

TLG 1493
MELINNO Lyr.
(2 B.C.?: Lesbia)
1 1
1493 001
EijV +Rwvmhn, ed. H. Lloyd-Jones and P. Parsons, Supplementum
Hellenisticum. Berlin: De Gruyter, 1983: 268-269.
fr. 541.
5
(Q: 90: Lyr.)

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ローメーに寄せる
EijV +Rwvmhn

541."t"
ローメーに寄せる

541.1
われを嘉したまえ、ローメーよ、アレースの娘御よ、
黄金のリボンにたくみな女王、
地にあって、オリュムポスに住まう気高いかたよ、
永遠の無疵の〔オリュムポスに〕。

御身にのみ、最年長のかたよ、モイラ〔運命の女神〕は授けたもうた
支配の女王としてのえもいわれぬ誉れを、
御身が主権者としての権力を有し、
嚮導したもうようにと。

かくして力強き軛の革帯の御身の紐によって、
541.10
大地と、灰色の海の胸は、
緊縛された。かくて御身は安全に舵取りたもう、
民人の町々を。

はたまた、最強の時代があらゆるものらを陥落させ、
別人別様にその生をつくりかえ、
御身によってのみ、支配の追い手の風が
変わることはない。

しかり、万人のうち御身のみが、最強の、
偉大なる戦士らを生み出したもう
ダマテール〔デーメーテール〕の稔りを
戦士たちからの果実として解き放つために。?


forward.GIF古代ギリシアの武器