アルゴナウティカ
オルペウス作品集
占星術断片(Fragmentum astrologicum)
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[底本]
TLG 0579 ORPHICA
007
Fragmentum astrologicum
Astrol.
M. A. F. Sangin, Codices Rossici [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 12.
Brussels: Lamertin, 1936]: 158-161.
12.
(158.)
(16t)
12宮から
(17t)
オルペウス著
(18t)
ホロスコープの獣帯について
2つの転換宮〔冬至・夏至の至点、春分・秋分の分点を含む宮〕は、磨羯宮と巨蟹宮である。
転換宮がホロスコープに現れる時は、旅を始めてはならない。なぜなら困難であり、美しさをもたないからである。転換宮にあるとき、夫から去ってはならない、おお、女たちよ。友たちが敵意をいだき、逆に、敵意を投げつける者たちが友となり、乳母は、転換宮にあるとき、(159.)最初の乳を与えるだろう。幼児を養育するだけでなく、他の〔幼児〕さえも〔養育するだろう〕。転換宮にあるとき、種子を播くべきであり、植物は転換宮にあるときに植えるべきである、それは、種子は刈り取るのが必然であり、植えられたものを我々は望むからである。家の土台も転換宮にあるときに投げつけてはならず、土地を売りに出してもいけない、所有がとどまらないか、さもなければ仕事を成就することなく、転換宮にあるときに手付金を払うのが美しいからである。船乗りたちや交易商人たちや、生き物に従事するかぎりの者たちは、転換宮にあるときに商いをする者たちはすぐに売れるであろうが**しかしながらその状態は1週間で解け、八日目に転換宮から恒常宮への星占いに与るなら、死を招く。転換宮の時に外出したり<あるいは>出陣してはならない。攻撃が挫折するからである。転換宮にあるときに<もしも>人が逃げても、月がその獣帯にとどまっているかぎり、発見はすぐに起こるであろうが、転換宮を過ぎれば、他の人に見つけられるであろう。もしひとが、転換宮にあるときに誰かに裁判に訴えられたら、その訴えはすぐに解かれるだろうが、転換宮にあるときにいったん裁判が始まれば、同じ人が裁かれるままにはならず、裁かれる者たちが交互に交代するか、他の者たちに移るであろう。転換宮にあるときには出郷を始めるべきである、帰還がすぐだからである。なぜなら、転換宮にあるときに友愛を示すからである。転換宮にあるときにもしひとが約束するなら、〔約束が〕はたされることがないか、約束を与える者がこれを得る。転換宮にあるときに言われる言葉や現れる夢は虚偽である。転換宮にあるとき弁論家は論戦を始めてはならず、船乗りは航海してはならず、亡命者となってもいけない、不首尾に終わるからである。また、もしも転換宮にあるときに<ひとが>有罪宣告を受けて祖国から追放されるなら、再び立ち返ってくる。確実な事を転換宮にあるときに始めてはならない。
二重身をもった獣帯は4つ。双子宮、処女宮、人馬宮、双魚宮。二重身をもった獣帯がホロスコープに現れるときは、けっして商いをしてはならない。なぜなら、その行いは策略を有するか、病気<か>別のことどもを付け加え、生じる交際は、他の何か隠されたことどもを有するからである。つまり、他のものを有するか、他のものを望むのである。二重身をもった獣帯にあるとき行われる結婚は姦通に向かい、数多くの(160.)争いや苦痛が、このような結婚に生じ、女たちの友愛を二重身をもった獣帯が妨げるのである。もしもひとが二重身をもった獣帯のときに訴訟沙汰に陥るなら、すぐに免れるであろうし、同様に二重身をもった獣帯のときに捕縛されるなら、その捕縛をすぐに逃れるであろうし、ひとが二重身をもった獣帯のときに捕縛を解かれるなら、再び捕縛されるであろう。しかし、もしもひとが二重身をもった獣帯のときに逃亡したり<また>圧倒されたりしたら、今度は逃亡が起こるだろう。二重身をもった獣帯のときにひとが報酬を受ければ、云っただけのものを与えることはなかろう。二重身をもった獣帯のさいの恩恵や贈り物は美しい。また二重身をもった獣帯のときに植え、鳥たちに卵を生ませねばならないが、もしも二重身をもった獣帯のときにparaklisisが生じるなら、今度は炎熱をもたらし、病に戻す。二重身をもった獣帯のおりに何か美しいことや善いことが結果したなら、それは二重である。また美しいのは、二重身をもった獣帯のおりに旅を始めることである。なぜなら3倍の報酬を得る人たちが先行するからであるが、ひとが二重身をもつ獣帯にあるときにひとが死ぬなら、別の一人がそのひとの家から死ぬであろう?、もしもひとが二重身をもった獣帯のときに病気にかかるなら、その同じひとの家で他のひとも病気にかかるであろう。勝利は二重身をもった獣帯のおりに美しいが、悪は二倍少なくなる。教師たちや医師たちにとって学ぶことは、二重身をもった獣帯の間、美しい。
恒常獣帯は4つ。金牛宮、獅子宮、天蠍宮、宝瓶宮。
恒常獣帯がホロスコープに現れたとき、所有と商売は確実である。恒常獣帯のさいに女と、その物を得なければならない。恒常獣帯のときに、諸々の細工と企ては捨てなければならない。?なぜなら、諸々の計画が満たされるからである。恒常獣帯のおりに、女たちの一種の別離が生じる。亡命者たちは還らず、盗人が折よく見つけられることもなく、出郷は確実である。恒常宮のおりに敵がすぐに友となることはない。恒常宮のおりに判決は確実であり、裁判官たちが無効となることはない。病は恒常宮のときに悪い。というのは、1週間以上治らなければ、死をもたらすか、病の長さを〔もたらし〕かであるから。捕縛は、恒常獣帯のおりに悪い、というのは怒ったひとが心変わりしないからである。もしもひとが恒常宮にあるときに財産を提供するよう要求するなら、与えない。善き言葉や音楽は恒常宮にあるときに始めること。恒常宮にあるときに契約書を書くのは美しい。なぜなら文字は美しいからである。恒常宮にあるときにもしひとが(161.)出征するなら、あらゆることが彼の軍にとどまり、他に移ることはない。祝祭や合唱舞踏やあらゆる美しいことどもを恒常宮のときに始めることは、あらゆる悪しきことどもを転換宮のときに〔始めること〕と同様である。恒常宮のときには、起こることどもは揺るぎないままであるが、転換宮のときには変化する、というのは、二重身をもった獣帯のときには多様だからである。また、月をもった〔獣帯〕も同様である。上述のこれらの獣帯がホロスコープに現れたものであることは明白である。
2015.10.06.
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