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プリクソス(FrivxoV)

 ボイオティア(アテーナイの北西方、首都テーバイ)における聖書のイサクの原型。プリクソスは敬虔な父によって神に生贄として捧げられ危うく殺されそうになった息子である。そのとき、魔法の雄ヒツジが現れて、彼の身代わりとなった。雄ヒツジはプリクソスを危機から救い出し、それから自らの命と、のちに聖なる呪物となる「金羊毛皮」を捧げた。神話は、「年ごとに山上で王、あるいは王の身代わりを生贄として捧げる習慣を記録している。身代わりは初期には雄ヒツジの皮をかぶった少年、のちには雄ヒツジが捧げられた」[1]。このようにして「雄ヒツジのアリエス」(エジプトの神アメン)は新年の生贄の神となった。point.gifRam.


[1]Graves, G. M. 1, 229.

Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)