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ヴァルナ(Varuna)

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 ヒンズー教の太陽女神アディティの息子であるヴァルナは、プロテウスのように変幻自在の姿をとる太古からの神であった。すなわち彼は空の神であり、川や海の神で あり、律法の神であり、風の神であり、季節の神であり、死の神であった。彼は女の姿をとることも、両性の合ーを表す両性具有神のときもあった。両性具有神の場合、彼-彼女はおそらくペルシアの「肉欲の霊」ヴァランVaranとなった。ヴァルナは、実質的には自分とさして変わらない、双子の姉(妹)または兄(弟)であるミトラMitraと対をなした[1]。ペルシア人が崇めた、完全に男性化したミトラMithraは、このミトラMitraが発展したものであった。


[1]Larousse, 328.

Barbara G. Walker : The Woman's Encyclopedia of Myths and Secrets (Harper & Row, 1983)



[画像]
 マカラに乗ったヴァルナ。