船の装備の諸所に付きものの事
ギリシア占星術文書目録4350_137
アストロラーブに寄せる詩
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[底本]
TLG 4350 137
EijV ajstrolavbon stivcoi (e cod. Paris. gr. 2506, fol. 125v)
Astrol.
Date of manuscript = A.D. 14
F. Cumont, Codices Parisini [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 8.1. Brussels: Lamertin, 1929]: 265.
8.
(256)
アストロラーブに寄せる詩
われ、愛らしき青銅の絵馬として、宇宙の似像を
鑿もて受け取り、モイラたちの不動にして厳格な
糸をば、もの思う分別無き者たちのために語らん。
2018.03.04. 訳了
[アストロラーブ]
アストロラーブについて言えば、学者たちが唱える一般的な議論に対しては十分慎重でなければならない。その言葉自体はギリシア語であり、‘星を捕える’ための器具を意味しているにすぎないが、その結果星の位置や高度を観測することに用いる器具であれば何でもそう呼ばれたのである。西欧では10世紀まで、アストロラーブという名称がアルミッラ天球儀についても用いられた。これは惑星と恒星の運動を表すための円環からなっており、オリヤクのジェルベールに知られていた。いわゆる本来のアストロラーブというのは、宇宙の天球を平面に投影したものであり、正確には平面アストロラーブと呼ぶべきものである。しかし、意味が明らかな場合は通常その‘平面’とい う言葉はつけない。これは望遠鏡の発明以前には最も重要な観測器具であり、天体観測ばかりでなく、時間、緯度、高度、距離をはかったり、ホロスコープを描いて家を計算するためにも使われた。アストロラーブがギリシア人に知られていたことは明らかであり、おそらくプトレマイオス(あるいはもしかしてヒッバルコス)によって発明されたのだろう。また12世紀にアラビア語資料から再導入されるまで、中世ラテン世界に知られていなかったことも確かである。占星術師にとってアストロラーブは、例えば誕生時などのある瞬間における天体の正確な観測を行うには、(中世後期の多くの図から判断するかぎり)重要なものではなかったが(もしよい クロノメーターが利用できたとすれば話は別だが、当時の観測はそれほど役には立たなかった)、アセンダントが何であり、図をどのように12の家に分割するかを、必携の天文表から計算するには重要なものであった。
(テスター『西洋占星術の歴史』)
アストロラーブ(ベ)の詳しい使い方は、「A Treatise on the Astrolabe ? “アストロラーベの論文” 和訳」に詳しい。
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