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back.gifいかなるトポスがいかなる星辰を抽籤したのか

ギリシア占星術文書目録4350_202

惑星の色について





[底本]

TLG 4350 202
De planetarum coloribus
(e cod. Vat. gr. 211, fol. 160)
Astrol.

Date of manuscript = A.D. 14
S. Weinstock, Codices Romani [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 5.4. Brussels: Lamertin, 1940]: 122.



5.
(122)
 7惑星の色は、金属とある種の花の色と類同である。土星は鉛とヒュアキントス〔Dsc.IV-63〕に、木星は銀と百合に、火星は鉄とニオイスミレ〔Dsc.IV-122〕に、太陽は金と真紅の薔薇に、金星は錫とアカバナルリハコベ〔Dsc.II-209〕に、水星は銅とセイヨウアカネ〔Dsc.III-160〕ないしアネモネ〔Dsc.II-207〕に、月は水晶とスイセン〔Dsc.IV-161〕に。

2018.01.22. 訳了


[惑星の植物と惑星の色]
 ここに挙げられた花は、いわゆる「惑星の植物」とは異なることに注意。
 惑星の色については、point.gif惑星と宮にふさわしい色目の衣服について
point.gif競馬場について

[金属の色と花の色]
・純銅は独特な赤色を呈し〈あかがね〉とも呼ばれるが,亜鉛を加えると(黄銅など)黄色へ、ニッケルを加えると(白銅など)銀白色となる。青銅は錫との合金である。酸化すると緑青を生ずる。セイヨウアカネは(染料の原料となる根は赤いが)花は白色である。銅の色がセイヨウアカネとアネモネと矛盾しているように見えるが、理由はそこにある。
・錫が単独の元素として知られるようになったのはずっと新しく、もとは金と銀との合金であるh[lektron(琥珀金)の記号が、これに充てられるに至った。
・上のテキストには水銀が入っていない。
 「ギリシア・エジプトの錬金術師たちは、水銀を金属とみなさなかった。ジャービル文書の幾つかのテクストは水銀を金属と考えるが、幾つかはそうしない。アラビア錬金術の後期からヨーロッパの錬金術において、水銀は金属と考えられるようになった」(ローレンス・M・プリンチーペ『錬金術の秘密』註)。
 そうして、太陽と月とを合成した記号が水銀=水星の記号に充てられるに至った。  

forward.GIF大地の動きについての歌の言い換え