title.gifBarbaroi!
back.gifヘーリオドーロス/順行する〔星〕と通過する〔星〕について

ギリシア占星術文書目録4367_004

断片集





[底本]
TLG 4367
HELIODORUS Astrol.
TLG 4367.004
Fragmenta [Dub.] (e cod. Monac. 287, fol. 116)
Astrol.

Date of manuscript = A.D. 14
F. Boll, Codices Germanici [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 7. Brussels: Lamertin, 1908]: 116-122.



(116)

第23章.月の諸々の相について

 月には11の諸相がある:*〔初めは〕二分の一対座〔の月、つまり、満月〕:次いで太陽の15度の隔たり〔三日月ないし二十六日の月〕:太陽の90度〔つまり〕第5日の半月:太陽〔から〕の隔たりが91度から135度まで:凸月とも呼ばれる:太陽から180度の満月から165度隔たった第6日の月:太陽から360度、(117) 1/10の月の形を満たす月、没したかあるいはまた光のない月*。これらの位相の諸々の主星と諸々のトポスの主星を、ホーロスコポスから探究しなければならない。そこでもし、木星と月ないし金星ないし太陽とともに昇る〔星〕が<あれば>、消滅をつくるが、基本方位にあれば、優越的である:吉星上では下降する〔星〕が美しいが、凶星上では上昇する〔星〕が悪い。光の三合の主星である第1と第2は互いに非協和的であるか、自身に対立的となり、昼間に太陽のせいで視られることはないが、夜間には月のおかげで〔視られ〕、捕囚とか隷従とか亡命をつくる。月と土星は、ひとつの獣帯星座に遇在すると、追放者たちをつくる。もし運の主星が第7トポスないし反中天に見出されれば、追放をつくる。だがもし第8〔トポス〕にあれば、夢のおかげで所有を与え、次いでまた横死をも〔与える〕。

<第24章.>雄弁家たち教育者たちその他の者たちの諸々の役割について

 ヘルメースの〔星〕が、美しいトポスに立つゼウスに右からアスペクトに立ち、且つ、互いの区界を受けとると、〔両者は〕太陽の15度以上にあり、基本方位にあり、基本方位に後続する位置を占めるので、ソフィストたち、文法学者たち、教育者たちをつくる。もしヘルメースの〔星〕が美しいトポス、とくにクロノスの宿、に遇在し、太陽の15度以上であり、ゼウスとクロノスとアレースに見られるなら、占星術師たち、占い師たちをつくる:だがもしクロノスがヘルメースの宿でたまたまホーロスコポスであるなら、† アパラバトスたちや学生たちを〔つくる〕。もしクロノスがセレーネーとその1/12を右から見て、セレーネーがクロノスの区界にあれば、風呂屋たちや石工たちをつくる。もしクロノスがアレースとヘルメースと等しい度に<あって、しかも>互いの1/12を吉星の観察を二重に見るなら、墓つくり人とか墓掘り人たちとか† ネクロパルトスをつくる。もしアレースがアプロディーテーと四合ないし対座で度を等しくし、その他の〔星〕の右からのアスペクト外で、互いの1/12を右からのアスペクトをとるなら、酩酊者たち、盗賊たち、姦通者たちをつくる:だがもしクロノスが右からのアスペクトをとるなら、稚児たち、淫蕩者たちをつくる。もしクロノスとアプロディーテーとアレースが白羊宮と獅子宮と人馬宮において互いにを見るなら、大工たち、皮なめし工をつくる。ヘルメースが太陽の15度以上にあって、セレーネーと等しい度数になり、互いの1/12を右からアスペクトをとり、<また>アレースとクロノスも自分たちの対座になって基本方位の<あるものらと>遭遇するなら、猟師たちとか (118) 鷹匠たちとか鳥飼たちをつくる。もしヘルメースとアプロディーテーが固有の区界において失墜するなら、俳優たちをつくる。ヘルメースとアレースとアプロディーテーとセレーネーが基本方位にある星としてもし基本方位において互いに右から見合うなら、技術者たちや手品師たちをつくる。もしアプロディーテーが基本方位においてヘルメースの宿に<そして……>太陽の15度以上にあって基本方位に後続する位置を占めるなら、肖像画家たちをつくる:ホーロスコポスが、ゼウスとクロノスが地平下にあるときに巨蟹宮ないし天蝎宮ないし双魚宮に遇在するなら、薬草採集者たちや野生動物の展示者たちをつくる。もしアレースとヘルマースが獅子宮内の基本方位上でゼウスとアプロディーテーとヘーリオスと離れているなら、大胆不敵な者たちをつくり、<この者たちは>何事をも顧慮することなく自分の血を流すところの、偽誓者、不敬者、策士たちである。もしクロノスとアプロディーテーとセレーネーが金牛宮に遇在するなら、知者、弁論家、学者、最高の恩恵者にして音楽愛好者をつくる。もしアプロディーテー<と>クロノス<あるいは>アレースが対座にあるなら、とくにクロノスが北にあるときには北のクリマに、舌足らずなものや饒舌なものをつくる。

第25章.太陽が獣帯星座から獣帯星座へとつくる動きについて。

 ヘーリオスが獣帯星座から獣帯星座へという動きを形成するのは、ときには30日間、ときには31日間、29日間のときもあるとせよ。しかし各1昼夜進むのは、多かれ少なかれ1度であり、ときには1度と2分、ときには51分、また59分のときも57分のときもあるとせよ。しかしクラウディオス・プトレマイオスのカノンの手引きは、ヘーリオスの精確な度を提供している。だが4つの圏層を領するのは、熱し穏やかに乾燥させることにおける有性の有する作因である:<これらがより敏感になるのは>、それ〔太陽〕の大きさと、われわれの頭頂のトポスに近いからこその、季節における変化の<諸々の活動>である。

第26章.5つの星々が太陽に対してつくる諸々の相について。

 周回する星々は太陽に対して諸々の相を形成するが、ときには夜明けに上昇する合と夜明けの没を、ときには (119) 日暮れの上昇と日暮れの没、

<第27章.>5つの星々の諸々の相と度・分数と基地について。

 クロノスについて。クロノスの星は、1度から17度までは、太陽光のもとに合である。だが18度から112度43分までは上昇し加速する〔星〕である。だが、113度44分から115度29分までは、(120) 第1基地を形成する。116度30分から180度までは日暮れに昇る〔星〕である。だが181度から244度16分までは第2基地を形成する。だが245度17分から343度までは日暮れに沈む〔星〕である。だが344度から360度までは合のまま沈む。しかし8ヶ月は4度を加える:

 ゼウスの星について。17度から124度と4分まで相をつくるゼウスの星は、夜明けに上昇する〔星〕である。しかし125度と5分から127度と11分までは、最初に固定宮となる。だが127度と12分から180度までは日暮れに昇る星である。だが181度と49分から235度と55分までは2つの固定??をつくる。

 アレースについて。さらにアレースも、1度から42度まで諸々の相をつくり、15度以内が合である。だが43度から157度29分までは夜明けに上昇する〔星〕であり、加速する〔星〕である。だが158度30分から169度<と>14分までは第1危地を形成する。だが170度15分から180度までは日暮れに上昇する〔星〕 (121) である。だが181度から190度と45分までは逆行する〔星〕である。だが191度46分から202度と30分までは第2の基地を形成する。だが203度と31分から318度までは日暮れに沈む〔星〕となる。だが319度から360度までは合のまま太陽の15度以内〔の星〕となる。しかし8ヵ月間は付け加わり、2ヵ月間は1/2を引かれて18度である? 

 <アプロディテーについて。>アプロディテーの〔星〕が1年の時間内に動くのは、書かれた仕方でヘーリオスにできるかぎり等しい。だが次のように相をつくる:1度から12度と22分までは合状態である。だが13度と25分から165度51分までは加速して日暮れに上昇する。160度52分から168度と21分までは第1基地を形成する。だが169度と22分から180度までは合の中央である。だが181度から190度と38分までは夜明けに上昇して消失に至る。だが191度と32分から194度と8分までは第2基地を形成する。だが195度と9分から336度までは夜明けに上昇する。だが336度と37分から12度までは太陽の15度以内にある星として加速し、合のまま沈む。だがその昼間の最大の<走路は>1度15分である:だがその1年の走路は359度45分である。だが獣帯星座の軌道を通過するのはヘーリオスと等速で、8年間の回帰によって再周回する。領するのは第3圏層であり、節度ある力能を有し、優しく熱するのは、ヘーリオスに対する近さ故であるが、とくに湿らせるのは、月と自分〔金星〕とが光源の大きさ故に大地を取り巻く水分による蒸発を着服するからにほかならない。

 ヘルメースについて。ヘルメースはみずからもヘーリオスと等しい速度で動くが、諸相を形成する:1度から38度までは夕方の合である。だが39度から90度までは夕方の上昇星である。だが91度から144度と39分までは加速星である。だが145度と40分から147度と14分までは第1基地を形成する。だが148度と13分から180度までは合の中央である。だが181度から212度と45分までは夜明けの上昇星として (122) 消え失せる。だが213度と46分から255度と20分までは第2基地を形成する。だが216度と21分から322度までは明け方にヘーリオスに対して先行する〔星〕となる。だが323度から338度までは太陽の15度以内の〔星〕となる。だがこれの昼間の最大軌道は1度52分。だがこれの1年の軌道は359度45分である。だが獣帯軌道をヘーリオスと等速で通過する。だが最大軌道を周回するのは46年間である:だが領するのは第2圏層である。

 確知すべきは、あらゆる惑星はヘーリオスから15度離れると同時に見えるが、15度以内だと見えないということ:しかし月のみは、ヘーリオスから離れると、真っ昼間でも、生長過程に応じて見える、ということである。なぜなら、一般に謂われているところでは、陽光を受けず、大地の円錐形の影で隠されると、われわれには見えないが、計算で認識されるように、177日間は朧になる、ということである。

2020.03.15. 訳了


[プトレマイオスのカノンの手引き]
 『アルマゲスト』邦訳(p.120~122)に「太陽の平均運動表」として出る。

[]

forward.GIF無名占星術師の対話/星占いについての対話(=ヘルミッポス)