無名占星術師の対話

［人物］

［底本］
TLG 4376
BOTHRUS MAGUS Astrol.
vel Bothros, vel Bothrus Sapiens
A.D. 13?
Astrol.
Persicus
Magus

4376 001
Ad regem Persarum epistulae de vulturis virtutibus (excerpta e codd. Paris. gr. 2180, fol. 100 + Paris. gr. 2419, fol. 153)
Astrol., Magica, Nat. Hist.
Date of manuscript = A.D. 15

P. Boudreaux, Codices Parisini [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 8.3. Brussels: Lamertin, 1912]: 126-127.

賢者ボトロスなる者から王へ。
［賢者ボロトスなる王から王へ。］

　数多の人間どもは無知です、おお、王よ、禿鷲の解剖が、何びとも見ていないところで、鋭利な葦で腑分けされると、人間の身体の療治と壮健さにとっていかようでありいかなるものであるかということに。ただし、これを屠る者は、アダマエール、エルコーエー、アブラクという天使たちの３つの名号を唱えます。なぜなら、これら３つの名号によって、すべてが成就されるからであります。例えば、その頭の骨は、切って鹿皮に包まれ、人の頭に巻かれると、あらゆる頭痛を治癒させます。またその血はシダー油(kedreva)〔Dsc.I-105〕と混ぜると、瘡蓋、癩やハンセン病者を治癒させる。その心臓は、狼の毛皮に†くるまれると、†？？？作用をなす。また右腕に携行されると、盗賊の手に落ちても、〔盗賊たちは〕神のごとく跪拝する。**地下のあらゆる獣が逃げ出す。その内臓が**に与えられると、座骨神経痛や腰痛を治癒させる。その脂肪が塗布されると、中風患者を治癒させる。その翼は数多の事に効き、女が子宮に孕んでいても産むこともできなければ、その羽を彼女の左足の下に置け、そうするとたちどころに出産するであろう。また羽は簡単に抜ける。またその脚も爪も家の中に保存されていると、事件が起こっても薬のようになる。望むと否にかかわらず活動するからです。御身が望むなら、作用するものはすぐに作用されるものとなります。孕むことを御身が望むなら、脚とともにその爪が御身にもたらされるでしょう。

ペルシアの王ボトロスの〔書〕、禿鷲から多数の人間どもにとっての益について

　数多の人間どもは無知です、おお、王よ、禿鷲の解剖が、人間の身体の療治と壮健さにとっていかようでありいかなるものであるかということに。ですから、鋭利な葦でこれは屠られるのです。そこで、これを屠る者は独りになり、誰からも見られないようにするのですが、それは、これを屠る際に、３人の天使たち — アダマネル、エローエール、バブリエール — の名号を言うためです。なぜなら、これら３つの名号によって、完全に成就されるからであります。例えば、その頭の骨は、切って鹿皮に包まれ、人の頭に巻かれると、頭痛や偏頭痛を治癒させ、卓越した者たちに対する歓愛を超越的なものとするからです。その脳味噌は、白いオリーブ油とともに鼻に吹きこまれると、寒さからくる頭痛を治癒させます。また眼球は豚の毛皮に包まれて、眼球を浄化させる。その舌は、ライオンの毛皮に包まれると、人間どもを従わせ、王の怒りをやめさせます。その肝臓はそれ自身の血とともに３週間にわたってダイモーンに憑かれた者たちや月に憑かれた者たちを治癒させます。その右腕が携行されているときに盗賊の手に落ちると、これ〔携行者〕を神のごとく跪拝します。

2017.12.24.　訳了