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back.gifマゴス僧ボトロス/ペルシア王宛書簡、禿鷲の徳について

ギリシア占星術文書目録4378_004

天文学の問題(抜粋)


[人物]
 5世紀末、ラオディケイアのユーリアーノス。詳細不明。


[底本]
TLG 4378
JULIANUS Astrol.
A.D. 5
Astrol.
Laodicensis

TLG 4378 004
Disquisitio astronomica (excerpta) (e cod. Mutin. 85, fol. 79)
Astrol.

Date of manuscript = A.D. 15
F. Cumont, Codices Italici [Catalogus Codicum Astrologorum Graecorum 4. Brussels: Lamertin, 1903]: 103-110.



4.
(103)

ラオディケイアのイウゥリアーノスの天文学的考察

 諸々のカタルケーのロゴスは、経験そのものがはっきりと証言しているように、人生の諸行為において必要でもあり有益でもある。だから、諸々の星の位置とアセンダントとを精確に観察しなければならない。なぜなら、これを注意深く精査する人は、諸カタルケーのロゴスをほとんど間違いなく見出すであろうが、間抜けでこれを表面的に観察して不注意な者、それゆえ、どうやら、過失をおかす者は、しかじかの年齢の者たちの情態に関して、自分で自分にぞんざいさの罪を要求されるであろう。なぜなら、それを経験するのは、太陽の光で目をくらまされる者たちなどではなく、眼の親らの不器用さからであって、そういう次第で (104) 諸々の徴候によって天の配置をば、自分たち自身の弱さや不器用さから確認せぬ者たちも、諸々の星の善き働きをなす流出に与ることなく、それゆえにまた不幸にもなるであろう。我々はといえば、慈悲深い神を有し、松明を携行し高揚させるエロースによって翼を具えられた者として今や言おう。

 あらゆるカタルケーに基づいて、ゼウスの星を夜明けのホーロスコポスとして、あるいは生命〔のトポス〕(これは第2トポスのことであるが)に有する者は誰しも、諸行事の早い成就、それどころか、彼に証言する諸善事の善く且つ有益な〔成就〕があるが、これに対し悪行のは、労多くしてしかも目的に到達しがたい〔成就があるとせよ〕。しかし、優勢さや優先する星の影響からくる結末は、変則の混合が起こる場合は別にして、明らかであろう。したがって、諸々の吉星が諸々のカタルケーにおいて優勢となるときは、生まれるものは美しい決末を持つだろうが、凶星の場合は、諸々の希望がほの見えることは正反対の方に方向転換する〔結末を持つだろう〕。しかし、諸行事の諸々の初めは、基本方位にある諸々の星から我々は知るであろう:土星、木星、火星については、未明の上昇の最初の固定点から、金星、水星については、それらの日暮れの〔固定点〕から:諸行事の結末は、基本方位に後続する位置を占める星が明らかにするだろうが、しかしながら土星、木星、火星については、それらの夕星??が、金星、水星については、明け方の星が、あたかもこれから明らかなのは、土星、木星、火星が明け方に後続して上昇するか、あるいは、夕方に基本方位にあっても、それによって予言することは何もない:同様にまた金星と水星が<未明に後続して上昇する>か、あるいは夕方に後続して昇ると、何ら予言することを望まない。しかしもし、述べられたように、すべて〔の星〕が基本方位にあるか、後続して昇るかして、最初に基本方位に接近するか、そ〔の星〕が基本方位に続くトポスに観察されるかするが、しかしもし等しい度になるなら、ホーロスコポス〔星〕は初めを、天の中央にある星は中間を、西にある星は終わりを明らかにする。時間については、そのように定義せよ。諸々の基本方位については、ホーロスコポスは麻痺??、天の中央は決着、日暮れの星は未来である。年齢についても同様である。ホーロスコポスは小女、天の中央は盛りの女、西は老女である:すべてのものら、つまり、諸々の基本方位と後続して昇る諸々と、先行して下降する諸々については、麻痺した??時間が先行した下降、決着が基本方位そのもの、(105) 後続した上昇が未来である。だがもし基本方位を何ひとつ有さなければ、いかにして証言を有するか決着を露顕させるのは獣帯十二宮そのものか、あるいはその〔獣帯の〕家の女主人〔の星〕そのものである。そこで知らなければならないのは、諸々の凶星も諸々の吉星の力を塞いで??美しく動因となれるだろうが、諸々の吉星が悪行されると不首尾に終わるということである。しかるに、仕上げるのに一方は、誰かの暴力や貪欲とか悪罵を伴うだろうが、善行する者たちの方は、義しさや説得や好意や同意を伴うだろう。だが善行されるのは、諸々の凶星の方は、選択的に固有の家とか高揚とか区界とか三分の一対座にある場合である。他方、善行するものらが悪行されるのは、上述の逆のものら、つまり、自分たち自身の失墜とかあるいは選択やそういったものらにおいてである。しかし悪行するものらは、月とかホーロスコポスを三分の一対座に置いて悪行からやわらぐということが、じつに美しく述べられた。???
  三分の一対座によって、悪を働くものらはおぼろになる。
また、
  星はもはや拙劣でない、もしも善きトポスを見出すならば。

 なぜなら、各々の星の自然本性的性質と、善さや有益さとかその反対つまり有害さとかとは別々であるからだ。これこそは諸々の行事そのものからも明らかである。実際、アプロディテーからパリスに与えられた贈り物は明らかに有害であったが、クロノスから黄金時代に〔与えられた〕贈り物は善であった。またマケドニア人アレクサンドロスから生まれて征服されざるものもアレース的なものだが、酩酊のせいで彼に結果した命終はアプロディテー的である。いやそれどころか、多くの者たちはゼウスから富と王位を受け取るが、まさにそれ故に悪い破滅の仕方をした。だがこれらすべてのことの原因は、星々の自然本性における善行だが、それらのその星の宿にない流出を受け取る誕生が害し、その時にこそ星々が有害となるのである。結果的に受難するのは、ゼウスに誓って、性質のせいではない。とにかく、燃えあがるものたちが害されるのは、万物を造物する太陽の熱のせいであり、明らかに自分たち自身の不器用さのせいである。なぜなら、星々のうち或るものらは善だが或るものらは悪というのではなく、あらゆる星が善であり、宇宙総体にとって救済者であり、有益であるのだから。しかし諸行事が証言する。例えば、命令はゼウス〔木星〕が発し、布陣はアレース〔火星〕が、埋葬されないものらはヘーリオス〔太陽〕が、独裁者たちはクロノス〔土星〕が、敬虔な者らはアプロディテー〔金星〕が、秘儀の主宰者はヘルメース〔水星〕が、と。しかるに、述べられたように、悪行するものらは善行されて益するが、善行するものらは悪行されて害される。だがもし人あって彼らを単独で (106) 抜き出してみれば、クロノスやアレースに関わる者らは、有罪判決や破滅の、ゼウスやアプロディテーに関わる者らは、結合や成長の、原因となるのが見出されるだろう。その時こそ、星々は効験するだろう、月とかホーロスコポスとか象徴する〔星〕を探究されている要点として四点に置くならば。???

第2章.7惑星の星位と基本方位と箭について

 さて、7惑星の観察は以下のとおり、sol2.jpg〔は〕♏〔の〕4度8分50秒〔??〕、diana2.jpg〔は〕♉〔の〕18度10分、kronos.jpg〔は〕♈〔の〕24度28分、jupiter.jpg〔は〕♍〔の〕4度12分、mars.jpg〔は〕♌〔の〕17度35分、venus.jpg〔は〕♏〔の〕21度58分、mercurius.jpg〔は〕♏〔の〕14度32分。

 太陽は天蝎宮の4度8分50秒〔??〕。その〔黄道の〕極を通過する〔最大?〕円周上を南(つまり)赤道の方に13度傾き、第3段階を1/4、1/30段階を占めつつ南に沈む。しかしこれに接近するのが恒星で、天蝎宮の鉤爪の間にある4等星として、経度にして天蝎宮の4度46分、緯度にして、獣帯星座の中央の円周を南に1度30分を領する。このように太陽から離れるわけだが、続くものらに対して経度で0度24分、緯度で1度36分である。〔これが起こるのは〕火星の家に、プトレマイオスやアイギュプトス人たちによれば火星の区界に、金星の三角宮に、火星の連れ合いにして、〔火星の〕第1デカンと月の第3デカンに、昂揚はひとつもなく、月の失墜に、火星の顔に、月のモノモイリアにおいてである。

 月は金牛宮の18度10分、経度において獣帯十二宮の中央の円周から熊座の方に2度42分離れ、断3段階上を段階の10度42分を領しつつ、北に昇る。しかしこれに近づける恒星は、金牛宮の北の角の生え際にある4等星で、緯度にして金牛宮の19度16分を領するが、経度では獣帯十二宮の中央の円周を南に70度15分領し、その結果経度において月を離れること後続するものらの方へ1度6分、経度では南に2度57度である。〔そこは〕金星の家である。プトレマイオスとアイギュプトス人たちによれば木星の区界、金星の三分の一対座、固有の連れ合い、火星の第3〔デカン〕、固有の昂揚、何ものの失墜でもなく、第2デカン、固有の顔、木星のモノモイリアである。

(107) 土星は白羊宮の24度28分、獣帯十二宮の中央の円周を離れること経度にして南に7度、第1段階上を段階の8度を領しつつ<北に>昇る。これに近づく恒星は、先導するものらにおいては牡羊座の菱形の4則線〔上の恒星〕とケートス座の鼻孔の尖に続いて、緯度で牡羊の<21度16分>を領し、経度では獣帯十二宮の中央の円周の7度45度を領するもので、その結果土星を離れること緯度にして先導するものらの方に3度12分10秒、経度では4度24〔??〕分。続くものらにおいてこれに接近するのは牡羊座の尻尾の3〔星〕のうち先導される〔星〕で、緯度において牡羊座の27度<26分>を領する。経度では、獣帯星座の中央の〔円周を〕熊座の方に1度40分、その結果、牡羊座を離れること緯度にして後続するものらに2度58分、経度にして4度45分。しかしどちらの星も4等星である。???。火星の区界に、太陽の三分の一対座に、木星と第3??の土星の連れ合いに、太陽の昂揚に、固有の失墜に、第3デカンに、金星の顔に、水星のモノモイリアに。

 木星は処女宮の4度12分、獣帯星座十二宮の円周を経度において離れること熊座の方に70度35分、第3段階上に北に昇る。これに接近する恒星は、乙女座の南つまり左の翼の先端にある3等星で、緯度にして乙女座の2度36分を領し、経度では獣帯星座の中央の円周上を北に70度10分、その結果、木星を離れること緯度にして先導するものらの方に1度36分、経度にして70度45分。第1固定点?をいまだ形成せず、未明に現れるが、〔それは〕水星の家に、水星の区界に、金星の三分の一対座に、固有の昂揚に、金星の失墜に、第1デカンに、太陽の顔に、火星のモノモイリアに。

 火星は獅子宮の17度35分、獣帯十二星座の中央の円周を離れること、経度にして熊座の方に1度5分、第2段階上を北に昇り、段階を半分領する。これに接近する恒星は、獅子座の尻にある星々のうち最も南にある3等星で、緯度にして獅子座の9度56度を領し、経度にして獣帯十二星座の中央の円周を北に離れること9度40分、その結果、火星を離れること緯度にして (108) 後続するものらに2度21分、経度にして8度35分。いまだ第1固定点?を形成せず、明け方に現れるのは太陽の家、プトレマイオスによれば金星の、アイギュプトス人たちによれば土星の区界、太陽の三分の一対座、何ものも失墜と昂揚にあらず、第2デカン、木星の顔、月のモノモイリアに、である。

 金星は天蝎宮の21度58分、<獣帯十二宮の中央の>円周を離れること経度にして南に70度39分、第1段階上を南に下降し、領するのは段階の3度15分。しかし諸々の恒星がこれに接近し、先導するものらのなかでは、蠍の身体にある3つの〔星の〕うち後続するものが、緯度において蠍の18度6分を領し、経度では、獣帯十二星座の中央の円周を南ほう5度30分を領する、その結果金星を離れること、緯度では後続するものらの方に3度52分、経度では4度51分。後続するものらにおいてこれに接近するのは、蛇遣い座の右の後ろ足の膝の上、緯度にして蠍座の24度46分、経度にして獣帯星座の中央の円周を離れること北に7度30分、その結果金星を離れること緯度にして後続するものらの方に2度48度、経度にして8度9分。両方とも3等星である。しかし加速するもいまだ第1固定を形成せず,夕方が現れ???、プトレマイオスによれば水星の、アイギュプトス人たちによれば木星の区界、固有の三分の一対座、火星と第3日の月の連れ合い、何ものの昂揚にあらず、月の失墜、第3デカン、固有の顔、火星のモノモイリア。

 水星は天蝎宮の14度32分、獣帯星座の中央の円周を離れること、南に経度で1度35分、第3段階上を、段階の5度10分を領しつつ南に下る。これに接近する恒星は,蠍座の身体の真ん中にある黄みがかった星で、アンタレースと呼ばれる2等星、離れること緯度にして蠍座の16度16分、経度では獣帯星座の中央の円周を南に4度70?分、その結果水星を離れること緯度にして後続するものらの1度44分、経度では22ど、加速して?、いまだ第1固定点を形成せず??。夕星??、太陽の15度以内にあり、4日後に日没上昇〔cosmical rising〕をするはずである、 (109) 火星の家、プトレマイオスによれば木星の、アイギュプトス人たちによれば水星の区界、金星の三分の一対格、火星と第3日の月の連れ合い、何ものの昂揚でもなく、月の失墜、第2デカン、太陽の顔、火星のモノモイリアにおいてである。

(110)

雲の観測について

 空気のような雲が山の頂を清浄に示しながら飛ぶと、好天を象徴し、また海上すれすれに見えたら冬の終わりを明らかにする。もし山々の頂に居座って[そうして]山々の頂までぐるりに膨らんでいるなら、そこから風が吹きくるだろう。もし山々の頂が清浄だが、その胸に雲が近づくなら、これらの〔頂き〕が襲来する風を示す。早朝、地上と平野に降りる霧は好天を象徴する。だが、天に昇る雲が起こると、降雨も風も続く。霧がもし濃くなれば、北風を明らかにするが、もし湿気と露なら、東風か南風を。霧が<もし>第3刻まで溢れるなら、好天を象徴するが、それ以上になるなら、陸には晴れた好天と西風をもつだろう。

2019.11.25. 訳了

ここに用いられている占星術用語についてはpoint.gif「占星術ギリシア語用語集」を参照。
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