ヘルメス選集(CH) XV

〔欠番〕





[底本]





〔欠番〕

 第XV冊子は欠番である。
 ただし欠番の意味は、この冊子が紛失したということではなく、そもそも存在しないのである。
 これは現代のヘルメス文書校訂者(スコット、ノック/フェステュジエール)が、冊子番号の打ち方をスルッサス版(16世紀)にならって決めていることからきている。すなわち、フルッサス版が『ヘルメス選集』XVとして収録していた冊子は、じつはヘルメス文書ではなく、別の「ストベゥスの断片」と「スイダス(スーダとも。10世紀の事典名)の断片」であることが明らかになっている。
 このため今日では、CH XVを欠番とすることにより従来からの冊子番号体系に変動が生じないようにしている。
 以上の見方に対しXVを保存しようとする意見も無くはないが、本訳では通説に従っておく。

(『荒井献・柴田有訳『ヘルメス文書』、p.394)


forward.gifCH XVI 周全体(プレーローマ)