021 3 A
Lactantius, Div. inst. I 6, 4(Scott, IV, p.9).
無名なるもの(ajnwvnumon)
7
神は一者。一者は名前をそれ以上必要としない。なぜなら、無名なるものであるから。
4 A 2
Lactantius, Div. inst. I 7, 2(Scott, IV, p.10).
母なきもの(ajmhvtora)〔対格〕……父なきもの(ajpavtora)〔対格〕
4 B 2
Lactantius, Div. inst. IV 13, 2(Scott, IV, p.19).
父なきもの(aj pavtwr)……母なきもの(ajmhvtwr)
10
Lactantius, Div. inst. II 15, 6(Scott, IV, p.15).
敬虔……敬虔とは、神の覚知(gnw:siV)だからである。
11 A 2
Lactantius, Div. inst. IV 7, 3(Scott, IV, p.16).
この†原因の†原因は、†神を観るものの善き†意志であり、このものの名を人間の口で口にすることはできない。
12 A 1
Lactantius, Div. inst. IV 7, 3(Scott, IV, p.16).
というのは、おお、わが子よ、ひとり万物の主にして、摂理をつかさどる神のみに関わる知恵の聖なるロゴスは、一種の秘密であって、これを云うことは人間の力を超えているのである。
13 5
Lactantius, Div. inst。IV 8, 4-5(Scott, IV, p.17 s.).
自生する父なるもの(aujtopavtora)
〔対格〕……自生する母なるもの(aujtomhvtora)〔対格〕
14 1
Lactantius, Div. inst. VII 9, 11(Scott. IV, p.23).
見神を(qeoptivan)
15 2
Lactantius, Div. inst. VII 13, 3(Scott, IV, p.23).
そして†同じものを†、不死なる〔自然〕と死すべき〔自然〕というそれぞれの自然から、人間という一つの自然を制作した、つまり、同じ〔人間〕を、ある点では不死なる者、ある点では死すべき者として制作し、これを、神的にして不死なる自然、死すべくして変化する〔自然〕の真ん中に運び、据えた。万物を見て万物に驚嘆するためである。
16 1
Iamblich., De mysteriis VIII 6, p.268 s. Parthey (Scott, IV, p.34 s).
さて、多くのアイギュプトス人たちのようにあなたは言う、わたしたちを支配するものも星辰の動によって点火される、と。それはいかなる事情か、より多くの〔言葉〕を介して、ヘルメースの考えから説明しなければならない。というのは、その書が謂うところでは、人間は2つの魂を持っているという。ひとつは、最初の思念から出発して造物主の力にも参与する〔魂〕、もうひとつは、諸天の周回から手渡されたもので、その周回の中に入りこんだ見神の魂である。
17 1
Iamblich., De mysteriis X 7, p.293 Parthey (Scott, IV, p.39).
神的な善そのものとは、摂理をつかさどる神と考えられ、人間的な〔善〕とは、それ〔神〕との合一と〔考えられる〕。これこそは、ビテュス注2)がヘルメス文書から訳出したところのものである。
18 1
Iamblich. ap. Procl. in Tim. 117 D, I, p.386 Diehl (Scott, IV, p.103).
実際また、アイギュプトス人たちの伝承も、それ〔sc. 質料〕について同じことを謂っている。これこそは神的なイアムブリコスが記録していることであるが、ヘルメースも、有性性(oujsiovthV)から質料性(uJlovthV)が現成することを望んだ、と。そしてとくにこのことから、プラトーンも質料に関して同じ思いをいだいていたらしい。
19 1
Zosimus III xlix 2, Berthelot-Ruelle, II, p.229 (Scott, IV, p.105).
以下のような人間どもを、ヘルメースは『諸々の自然について』の中で、理性なきものら(a[noeV)と呼びならわしていました 運命の付き人(pomphv)にすぎない者たち、非体の何ひとつも表象できず、自分たちを導くそれ〔運命〕そのものを義しく〔表象することもできず〕、それ〔運命〕の身体的教練(ta; swmatika; paideuthvria)をそしる者たち、そして、それ〔運命〕の〔もたらす〕幸福以外に他の表象を<何ひとつもたない>者たちを。〔CH. IV-7を参照。〕
20 1
Zosimus III xkix 3-4, Berthelot-Ruelle, II, p.229 (Scott, IV, p.105).
ヘルメースとゾーロアストレースは、愛知者たちの種族は運命(eiJmarmevnh)を超越していると云いました、その所以は、諸々の快楽を支配しているのですから、それ〔運命〕の〔もたらす〕幸福を喜びもせず、いかなるときも内奧の生(aju&liva)においてすごしますから、それ〔運命〕の〔もたらす〕諸悪に圧倒されることもなく、諸悪の限界を注視するからには、それ〔運命〕からの美しき賜物を歓迎することもないからです……
他方、ゾーロアストレースの方は、上方のあらゆることに対する洞察と、有体の言説というマゴスの教えを誇り、運命(eiJmarmevnh)のすべての悪 その部分も全体も は奪い去られると主張するのです。
21 1
Zosimus III xlix 4, Berthelot-Ruelle, II, p.230 (Scott, IV, p.105 s.).
しかしながら、ヘルメースは『内奥の生(aju&liva)について』の中で、マゴスの教説をも非難してこう言います、 自己を覚知した霊的人間は、何かが美しいとみなされても、マゴスの教えによってこれを矯正してもならず、必然が強制されてもならず、自然と〔必然の〕決定どおりに、しかしただ自分自身と神を探求することによってのみ進み、神を覚知する者は、無名の三位を支配すべきである、そして、運命(eiJmarmevnh)が何を望もうと、その〔運命の〕泥、つまり体によってそれを制作する〔ようにさせるべきである〕と。じつにこういうふうに、彼が謂うには、理会し〔可考的世界での〕行住坐臥を送るなら、その者は、万象は敬虔な魂たちのために生まれた神の息子であることを観想するのですが、それは、運命(eiJmarmevnh)の領地からこれ〔運命〕を非体の方へと引き寄せるためなのです。見よ、彼〔神の息子〕が万有として、神として、天使として、受難的人間として生まれることを。すなわち、どんなことでも可能な者として、何でも望むものになり、あらゆる体を貫通して父に聴従するのです。おのおののものの理性(nou:V)を輝かせ、体的なものとして生まれる前にもかつていた幸福の領地へと帰昇する、彼に聴従しつつ、彼に渇望されつつ、あの光へと旅するのものとして。
ビトスも描いたこの絵馬を視よ、そして三倍偉大なプラトーンも無量に偉大なヘルメースも〔言っていることですが〕、原人(oJ prw:toV a[nqrwpoV)は、聖なる第一の声によって、トーゥトス(QwvuqoV)、あらゆる諸有の翻訳者、あらゆる体的なものらの名付け人(ojnomatopoiovV)と翻訳されるのです。
23 2
Cyril., c. Iul., I, 556 A (Scott, I, p.540, IV, p.207).
「というのは、非入信者たちに、このような秘儀を伝授することはできないのである。とはいえ、理性によって汝ら聞け。可考的な光の前に、ただひとつの可考的な光がかつてあり、また常に有り、これは理性の輝く理性のことである。そして、これの合一以外の別のものは何ものもかつて存在しなかった。自己の内に常に有り、自己の理性と光と霊によって万有を常に包んでいる」。
「このものよりほかに神なく、天使なく、ダイモーンなく、何か他の有性なし。すなわち、万有の主であり、父であり、神であり、源泉であり、命であり、力能であり、光であり、理性であり、霊である。そして万有が自己の内に、自己の下に有る」。
24 4
Cyril., ib., 556 B (Scott, I, p.540, IV, p.208).
万有の主の摂理なるものがあって、そのおかげでわたしがこのロゴスを闡明するのでなかったなら、今このような恋情があなたがたを捕らえて、この〔ロゴス〕についてあなたがたが探求しようとすることもなかったであろう。しかし今は、このロゴスの続きを聞きなさい。わたしが前もってしばしば言及してきたこの霊は、万物が必要とする。なぜなら、万物を相応しい仕方で荷なうものとして、万物を命あらしめ、養い、そして、聖なる源泉に依存している。諸々の霊にとっての援助者、万物にとって命の常なる能産者、一者として。
25 2
Cyril., ib., 549 B, C (Scott, I, p.542, IV, p.197 s.).
神を理会することは……不死に与ることである。
さて、非体的な眼なるものがあれば、体から美の観想へと赴かせ、飛翔させ、観想せしめよ、形をではなく、体をではなく、形相を探求して観想するのではなく、むしろ、それらのあの制作者を 平静なるもの、静穏なるもの、堅固なもの、変わらざるもの、万事において同一にして唯一なるもの、一者、自己よりなる同一者、自己において同一なるもの、自己に似たもの、他者に等しいこともなく、自己に不等でもないものを。
26 2
Cyril., ib., 549 C, D (Scott, I, p.542, IV, p.198 s.).
さて、一者にして唯一の善であるあのものについて、洞察して、不可能なことは何ひとつ決してないとあなたは云われる。なぜなら、彼こそあらゆる力能であるから。彼は、あなたの思惟では、何か或るものの内に有ることもなく、また逆に何か或るものの外に有ることもない。彼は無限なるものであるとともに、万有の限界であり、また、何ものによっても包みこまれることなく、万物を包みこんでいるからである。その所以は、諸体と非体とには一種の違いがあり、生出したものらと不生なるものら、必然に服するものらと自由なるものら、あるいは、地上のものらと天上のものら、腐敗するものらと永遠なるものらとには〔一種の違いがあるからね〕。つまり、前者は自由であるが、後者は必然に服するということではないのか。……これに反し、下方のものらは、不完全であり、腐敗するものらである。
27 2
Cyril., ib. 552 D (Scott, I, p.544, IV, p.202 s.).
というのは、彼〔=神〕のロゴス 完全であり、能産的であり、能産的自然による造物者である は前進し、能産的水の上に落ち、孕んで水を制作したのである。
28 2
Cyril., ib., 552 D (Scott, I, p.544, IV, p.203).
†こうしてピラミッドが、彼が謂うには、服するのは†自然と可考的世界である。なぜなら、上に座する支配者として、万物の主人の造物的ロゴス 彼〔神〕に次ぐ第一の力、不生なるもの、限りなきものである を有しており、彼〔神〕から顔を出したものであって、自分による被造物の上に君臨し、〔これを〕支配しているからである。
29 3
Cyril., ib, 552 D (Scott, I, p.544, IV, p.204).
「では、なにゆえに、おお、最も偉大なアガトス・ダイモーンよ、万物の主からこの名で呼ばれたのですか」と彼は謂う。
「前の箇所でも云ったことだが、おまえは理解していない。可考的なものの自然(fuvsiV)、つまり、ロゴスそのものの自然は、生産的であり創造的である。
30 3
Cyril., ib., 553 A, B (Scott, I, p.546, IV, p.204 s.).
造物主のロゴスは、おお、わが子よ、永遠、自動、増大することなく、減少することなく、変化することなく、腐敗することなく、唯一、自己と常に等しく、しかし同質、同等、よく安定し、順序よく、あらかじめ覚知されたる神の後なる〔神〕である一者。
31 7
Cyril., c. Iul., II, 585 D, 588A (Scott, I, p.546, IV, p.212 s).
「では云ってください」とオシリスが謂う、「それから、おお、最も偉大なアガトス・ダイモーンよ、大地全体はどうやって出現したのですか」。
すると偉大なアガトス・ダイモーンが云った、「配置と乾燥によってだ、わたしが云ったように。つまり、多量の水が、これの中に入りこむもの〔太陽?〕から退くよう命じられたとき、大地全体が泥として、震えるものとして現れた。それから、太陽が光り輝き、間断なく燃えあがり、乾燥させたので、大地は水の中に、水に取り囲まれて、固定化したのだ」。
32 A 2
Cyril., ib., 588 A (Scott, I, p.546, IV, p.213 s.).
万物の造物主にして主なる者が次のように発声した。「地が有れ、堅固なるものが現れよ」。するとたちまち創造の初めである地が生じた。
32 B 3
Cyril., ib., 588 A (Scott, I, p.546, IV, p.214).
するとオシリスが云った、「おお、三倍偉大なアガトス・ダイモーンよ、この偉大な太陽はどこから出現したのですか」。すると偉大なアガトス・ダイモーンが云った、「オシリスよ、太陽の誕生を、それがどこから現れたかを、わたしたちが詳説することをそなたは望むのか。万物の主人の摂理(pronoiva)によって現れたのだ」。
33 3
Cyril., ib., 588 B (Scott, I, p.546, IV, p.215).
万物の主は、ただちに発声した、自身の聖なる、可考的、造物主としてのロゴスによって、「太陽があれ」と、すると、謂うと同時に、上への道をもった自然の火(わたしが言うのは、無雑で、燦然と光り輝き、活き活きと活動的な、多産このうえなきもののことだ)を、自然が自身の霊気によって引き寄せ、水から高みへと引き上げた……。
〔太陽を、「水から高みへと引き上げ」るというのは、エジプトの創世神話を連想させる。
「まだ輝きをもたぬ太陽は、世界を明るくする必要があった。そこで太陽は原始の丘を深淵(アビュッソス)から出現させ、そこに位置を占めた」(ヘリオポリス系神話、『エジプトの神々事典』p.14)
34 4
Cyril., ib., 588 C (Scott, I, p.548, IV, p.216).
そこで必然(ajnavgkh)を、わが配下にある汝らに、わたしのロゴスによって汝らに与えられる命令として授けよう。すなわち、これを律法(novmoV)として汝ら保持せよ……。
35 3
Cyril., c. Iul., VIII, 920 D (Scott, I. p.548, IV, p.223).
というのも、完全なもの知恵あるものとして配置〔秩序〕†と無秩序†を課したのは、可考的なものらは、より年長にしてより勝ったものとして先導し、第一の場所を占めるため、可感的なものらは、それらに次ぐ第二位のものとして従うためである。こうして、可考的なもの下降するものは、自己の内なる創造的知恵として、重いロゴスをも保持するが、彼のそのロゴスは、多産にして命の制作者であるので、創造的自然に属している。
36 5
Ps. Anthimus 14-15, ed. G. Mercati, Studie Testi, V. 1901, p.98 (Scott, I, p.548, IV, p.159 s.).
摂理をつかさどる神をわたしたちは知ることになろう……この〔神〕は、あの〔神〕の意志によって、万物を似たものとしてもつが、2つのこと 体の内に有ること、見られるものであること によって、〔あの神〕に劣っている。
37 1
(Lyd., Mens., IV, 64, p.116.17 Wünsch ; Scott, IV, p.231.10.)
このゆえに、ヘルメースは世界の制作に際し、男性器をアプロディーテーの腰の上に、その後ろに女性器を授けるのである。
2008.10.30. 訳了。