ストバイオスのヘルメス文書断片(SH)
[ストバイオス](Lat. Stobaeus)
正しくは=IwavnnhV Stobai:oV(ストヴィのイオーアンネース)〔「ストヴィ」は南マケドニアのパイオーニア地方の都市〕。
詩や散文からの抜粋集の著者。これは、初め、息子セプティミウスの教育を意図したものである。
この作品は、おそらく、紀元後5世紀の早い時期に編まれ、もとは4巻から成っており、後には「抜粋集(Eklogai)」とか「精華集(=Anqololovgion)」という題名のもとに分類されるようになったが、主題や扱い方は本質的に同質であった。
形而上学から家政学までさまざまな題目を扱い、第2巻以降は主として倫理的な諸問題に関説する。
例文の抜粋は、たいてい先達の蒐集者に負っているものと考えられるが、連続的な題目のもとに配置され、一般的に詩から始まって同じ順序で分類されている。
ストバイオスはホメロスからテミスティウスまで、ほとんどの著作者を引用している。第2ソフィスト期の作者はほとんど見当たらないが、新プラトン主義からの抜粋が多い。キリスト教著作者からの抜粋が見当たらないことは、彼が異教徒であったことを示唆している。
ポティウス(9世紀)は、この作品がとくに作家や雄弁家にとって有益だと評した。われわれにとっての価値は、初期著作者の作品からの厖大な引用にある。古典期作家たちについてのわれわれの知識を補ってくれるばかりか、正規の写本の伝統における困難な点に光を当ててくれるからである。(OCD)
[底本]
TLG1286
CORPUS HERMETICUM
vel Hermes Trismegistus, vel Hermetica
(A.D. 2?/4)
20 1
1286 020
Fragmenta, ed. A.D. Nock and A.-J. Festugière, Corpus
Hermeticum, vols. 3 & 4. Paris: Les Belles Lettres, 1954 (repr. 1972):
3:2-8, 13-14, 17-18, 21-27, 30-31, 34-39, 44, 47-48, 51-58, 61, 64-67,
5
72-73, 76-77, 80-83, 86-87, 90-91; 4:1-22, 52-58, 68-72, 80-88, 97-99.
(Q: 16,614: Phil., Theol.)
抜粋(Excerptum) I (I Scott)
Stobaeus 2. 1. 26, vol. II, p.9.3 Wachsmuth (cf. I, p.XXXVII)
ヘルメースの〔書〕。タト宛て〔文書〕から。
1
神を理会すること(noh;sai)は困難だが、たとえ理会できても、これを誰かに伝えることは不可能である。なぜなら、身体なきことを、身体に示すことは不可能であり、完全なものを不完全なものによって把握することはできず、永遠が束の間と親族になることは難しいからである。というのは、一方は常に在り、他方はかりそめである。一方は真理であり、他方は表象(fantasiva)によって翳らされている。より弱いものがより強いものから、より劣ったものがよりすぐれたものから隔たっている度合いは、不死なるものが神的なものから〔隔たっている〕程度に等しい。
2
だから、それらの間の隔たり( diavstasiV) は、美の相貌を暗くする。なぜなら、諸々の身体は眼によって眺められ、可視的なものは舌によって言表される。だが、身体なきもの、明るくないもの、形なきもの、質料によってさえ構成されないものが、わたしたちの諸感覚によって把握されることはできないからである。われ、思惟する(ejnnoou:mai)、おお、タトよ、われ、思惟する。口に出しえないもの、それが神である。
2008.09.15.
SH II A