抜粋(Excerptum) VII (VII Scott)
Stobaeus 1. 3. 52, vol. I, p.62 Wachsmuth.

ヘルメース

1
なぜなら、最大のダイモーンのようなものが、おお、わが子よ、選抜されて全体の真ん中に配置されているのである。人間どものせいで地上に起こるあらゆることを見渡す〔ダイモーンが〕。<というのは>神的配置〔=天体〕に摂理と必然が配置されているのと同様に、人間どもにも同じ仕方で正義が配置されており、あのものら〔人間どものせいで地上に起こるあらゆること〕に同じく作用するからである。


すなわち、あれら〔摂理と必然〕は諸有の配置を支配する。〔この諸有は〕神的なものらのように、誤りをおかそうとすることなく、また〔誤りをおかそうとしても〕それができないものらである。というのは、神的なものは、惑動すること(誤りをおかすこともここから結果する)が不可能だからである。かくして、「正義」は、地上で誤りをおかす人間どもを罰するものとして配置されている。


なぜなら、<…〔欠損(i.e. 人間が過ちをおかしやすい)〕…>種族であるのは、それが死すべき存在であり、悪しき質料から構成されているからである。とりわけ、見神の能力の備わっていないかのものらには、逸脱がよく結果する。こういう連中を「正義」はとりわけ支配する。そして、〔人間という種族は〕運命には生成の作用によって服従し、「正義」には、人生における過ちによって〔服従する〕のである。

2008.09.29.


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