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魔術書

予言者にして最高の知者ソロモーン王の物語





[底本]
TLG 2679 010
Narratio de propheta et sapientissimo rege Salomone (cod. Monasterii sancti Saba 290) Hagiogr.

Vernacular C.C. McCown, The testament of Solomon, Leipzig: Hinrichs, 1922: 102-120.




(102)

予言者にして最高の知者ソロモーン王の物語

Ⅰ. 預言者ダウエイド王の息子であった最知者ソロモーン王についての話はきわめて有益である。そこで、ウゥリアの妻〔バテシバ〕— これを預言者ダウエイドは見たのだが — がいかなる女であったか、これによってソロモーンをもうけた次第を聞け。2. 散歩していて、その宮殿の潜り戸から彼女を目撃して、彼女を愛顧し、ひとを遣わして、彼女を召し上げ、これと寝た。そして妊娠し、最知者ソロモーンその人を産んだのである。3. こうしてとんでもない姦淫をはたらいたのみならず、彼女の惨めな夫を遣わして、これを殺害したのである。

4. そこで非常に力の強い神は、ダウエイドが為した悪行を見て、永遠に懲らしめられることのないよう、彼を回心と後悔で囲むことを望み、その大天使ミカエールを、その手に一振りの両刃の戦刀を携えさせて、遣わされた。5. そこで預言者ナタンを使嗾して彼に云った。「預言者ダウエイド王を、それが犯した大いなる罪の咎で糾弾せよ。

2018.07.04. 訳了

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