"t".
共住修道院ないし巡礼団に属する修道者たちに寄せて
1.
神の相続者たちよ、神の言葉に耳を傾けなさい、
クリストスの共同相続者たちよ、クリストスの言辞を受け容れなさい、
あなたがたの子どもたちの心にそれ〔クリストスの言辞〕を与え、
知者たちの言葉を彼ら〔子どもたち〕に教えるために。
2
善き父は、その息子たちを教育する、
悪しき父は、彼らを滅ぼすであろう。
3
信仰は、愛の初め、
愛の究極は、神の覚知(gnosis)。
4
主の〔=に対する〕畏怖は、魂を護る、
善き節制(enkrateia)は、それ〔魂〕を強化するであろう。
5
ひとの忍耐(hypomone)は、希望を生む、
善き希望は、彼を栄化するであろう。
6
自分の肉を隷従させる者は、不動心の持ち主となるが、
それを摂食する者は、それに苦しめられよう。
7
淫蕩の霊は、不節制な者たちの身体に〔宿る〕が、
貞節(sophrosyne)の霊は、節制する者たちの魂に〔宿る〕。
8
愛をもっての隠遁(anachoresis)は、心を浄化するが、
憎しみを持っての隠遁は、それを掻き乱す。
9
愛のうちに千番目で或る者のほうが、
足を踏み入れがたい洞穴のなかに憎しみを持って独りいる者よりも、まさっている。
10
その魂のうちに遺恨(mnesikakia)をつなぎとめている者は、
藁屑のなかに火を隠し持っている人に似ている。
11
あなたの身体に多くの食物を与えてはならない、
そうすれば、睡眠中に悪しき幻をみることはけっしてなかろう。
というのは、火炎が森を焼き尽くすように、
飢えは恥ずべき幻を鎮めるからである。
12
気性的なひと(aner thymodes)は、怖じ恐れるが、
柔和なひとは、恐れなきひとであろう。
13
烈しい風は雲を吹き払うが、
遺恨は覚知から心を〔吹き払う〕。
14
敵のために祈る者は、遺恨なきひとであるが、
舌を惜しむひとは、その隣人を苦しめることはないであろう。
15
あなたの兄弟があなたを苛立たせるなら、
彼をあなたの家に連れて行きなさい。
また、彼のところに行くことをためらってはならない。
むしろ、彼とともにあなたの一口を喰いなさい。
これを為すことで、あなたの魂を保護し、
祈りのときに、あなたにとって躓きがなくなるだろうから。
16
愛は貧しさを悦ぶがごとく、
憎しみは富を喜ぶ。
17
富者は覚知を獲得できず、
ラクダは針の穴に入ることはできないが、
これらの何ひとつとして、主にできないことはないであろう。
18
銀子を愛する者は、覚知を見ることはなく、
これを集める者は、〔心の眼を〕暗くされよう。
19
へりくだった人たちの天幕に主は宿りたもうが、
高ぶった者たちの家には、呪いが満ちるであろう。
20
神を軽んじるのは、その律法に背く者だが、
これを守る者は、自分を作った方を栄化する。
21
あなたがクリストスを渇仰するなら、浄福者となるであろうが、
彼の死をあなたの魂は死に、
〔あなたの魂は〕その〔魂〕の肉から悪行を招き寄せることけっしてなく、
むしろ、あなたの脱出(exodos)は星の脱出(exodos)のごとくなり、
あなたの復活も、太陽のごとく輝き出るであろう。
22
わざわいなるかな、死の日における不法者は、
そして義しからざる者は、邪悪なるときに破滅するであろう。
なぜなら、カラスがその巣から飛び立つように、
不浄の魂は自分の身体から〔飛び立つ〕のだから。
23
義しい人たちの魂は、これを天使たちが道案内し、
邪悪な者たちの心は、これをダイモーンたちが連れ去るであろう。
24
もしも悪が入りこんできたら、そこには無知もある、
しかし敬虔な者たちの心は、覚知に満たされているであろう。
25
無慈悲な修道者は欠乏者であるが、
物乞いたちを養う者は宝物を相続するであろう。
26
覚知をともなう貧しさは
無知をともなう富にまさる。
27
頭の飾りは王冠、
心の飾りは神の覚知。
28
覚知を所有せよ、しかし銀子を〔所有〕してはならない
また多大な富にまさる知恵を〔所有せよ〕。
29
義しい人たちは、主を相続するが、
敬虔な人たちは、彼によって養われるであろう。
30
貧しい人たちを憐れむひとは、気性を台無しにし、
彼らを養うひとは、善きものらに満たされるであろう。
31
柔和な心のなかに知恵は休らうが、
不動心の王座は、修行を成就した魂。
32
邪悪なものらの細工師たちは、悪しき報酬を受け取るが、
善きものらの細工師たちには、善き報酬が与えられよう。
33
罠を仕掛ける者は、それに捕獲され
それを隠す者は、それによって捕らえられるであろう。
34
この世の柔和者は
気性的で怒りっぽい修道者にまさる。
35
気性は覚知を撒き散らすが、
気長さ(makrothymia)はそれを集める。
36
強力な南風が海洋にあるように、
気性はひとの心中にある。
37
常住不断に祈るひとは、誘惑者たちをまぬがれるが、
不用意なひと(amelounton)の心は、諸々の想念が掻き乱すであろう。
38
酒をしてあなたを陽気にさせるな
肉片をしてあなたを喜ばせるな、
あなたの身体の肉をあなたが堕落させ、
諸々の恥ずべき想念があなたから出て行かないということがないために。
39
云うなかれ。今日は祝祭だから、酒を飲むと、
また、明日は五旬節だから、肉片を喰うと、
修道者たちには祝祭はなく、
ひとがその胃袋を満たすということもないのだから。
40
主の過越祭とは、悪を過ぎ越すこと、
その五旬祭は、魂の復活。
41
神の祝祭は諸悪を無記憶だが、
遺恨を持つ者は、悲嘆がとらえるであろう。
42
主の五旬節は愛の復活だが、
自分の兄弟を憎む者は、とんでもない転落をこうむるであろう。
43
神の祝祭は愛の覚知だが、
偽りの覚知に意を用いる者は、ぶざまに命終するであろう。
44
清浄な心をもっての断食は、
魂の不浄さにある祝祭にまさる。
45
おのれの心から諸々の悪しき想念を滅ぼしつくす者は
おのれの幼児を岩に打ちつける者に似ている。
46
寝穢い修道者は諸悪に転落するが、
目覚めている〔修道者〕はスズメ注4)のごとくである。
47
目覚めているときに、虚しき物語に身をゆだねるなかれ、
また、霊的な言葉を追い出すなかれ、
主はあなたの魂を見守り、
いかなる悪行に対しても、あなたに報いないということはないのだから。
48
多眠は精神(dianoia)を鈍磨させるが、
善き覚醒は、それを研ぎすます。
49
多眠は誘惑者たちを招来するが、
覚醒者は、彼らを追放するであろう。
50
火が蜜蝋を溶かすように、
善き覚醒は、諸々の邪悪なる想念を〔溶かす〕。
51
横になって寝るひとのほうが、
諸々の虚しい想念にかかわりながら目覚めている修道者にまさる。
52
天使の夢は心を陽気にするが、
ダイモーン的な夢は、それを掻き乱すであろう。
53
改悛とへりくだりは、魂を立て直すが、
憐憫と柔和は、それ〔魂〕を堅固にするであろう。
54
常時、あなたの脱出(exodos)を記憶せよ、
そうして、永遠の裁きを忘れるなかれ、
そうすれば、あなたの魂のうちに罪(plemmeleia)はないであろう。
55
もしも怯懦の霊があなたにのしかかったら、あなたの家を離れず、
さらにまたその時に、有益さから逸れてはならぬ。
ひとが黄金を光らせるように、
あなたの心は輝くであろうから。
56
怯懦の霊は涙をぬぐい去るが、
苦しみの霊は祈りを打ちくだく。
57
金銭を欲するなら、あなたは多くのことを思い煩い、
それに執着すれば、激しく嘆き悲しむことになろう。
58
あなたの胸の内なるサソリをして生きながらえさせるな
あなたの心の内なる邪悪なる想念も。
59
ヘビたちの子を所有することを急ぐな、
そうして、それら〔ヘビたち〕の心の想念を苦しんで産むことなかれ。
60
銀や金を火が審査するように、
修道者の心は誘惑者たちが〔審査する〕。
61
あなた自身から高慢(hyperephania)を取り除き、
虚栄をあなたから遠ざけなさい。
栄誉を得損なう者は、苦しめられ、
得る者は高慢となるであろうから。
62
あなたの心を高慢にゆだねるな
また、神の御前で云ってはならぬ、「われは有能なり」と。
主があなたの魂をお見棄てになり、
邪悪なるダイモーンたちがそれを低くしないために。
というのは、そのとき、敵たちは空中を飛び交い、
恐ろしきコウモリたちがあなたを引き取るであろうから。
63
修道者の〔神の国の〕生活を守り通すのは覚知、
だが、覚知から降りる者は、盗賊たちの手に落ちよう。
64
霊的な岩から川が流れ出、
修行をつんだ魂がこれを飲む。
65
選び(ekloge)の器は清浄な魂、
だが不浄の魂は苦さに満たされよう。
66
乳なくして幼児は養われない、
不動心なくしては、心が高くされることはないであろう。
67
愛(agape)の前を、不動心(apatheia)が先導し
覚知(gnosis)の前を、愛(agape)が〔先導する〕。
68
覚知(gnosis)に付け加わるのは知恵(sophia)、
不動心(apatheia)を生むのは知慮(phronesis)。
69
主の〔=に対する〕畏怖は知慮を生み、
クリストスの〔=に対する〕信が神の〔=に対する〕畏怖を授ける。
70
火のついた矢は魂に火をつけるが、
修行をつんだ人はそれを鎮火するであろう。
71
叫喚と悪口を覚知が転じ、
狡猾な言葉を知恵が追い払う。
72
蜂蜜は快く、蜜蝋は甘い、
しかし神の〔=に対する〕覚知はそのどちらよりも甘い。
73
聞け、修道者よ、あなたの父の言葉を
そして、その訓戒を無効とするな
あなたを遣わされるときは、彼をそそのかせ、心に彼と同行せよ。
なぜなら、この仕方で、あなたは諸々の悪しき想念を追放でき、
邪悪なるダイモーンたちがあなたに対して力をもたぬからである。
もしも、あなたに銀子を信託なさるなら、それを撒き散らさず、
渇望するなら、これを渡しなさい。
74
邪悪な家令は兄弟たちの魂をすりつぶし、
遺恨を持つ者はそれ〔魂たち〕を憐れまないであろう。
75
修道院の持ち物を散らす者は、神に不正するのである、
それに無関心な者は、不名誉な者となる。
76
不正な家令は悪い仕方で分配する、
義しい家令は、価値に応じて与えるであろう。
77
自分の兄弟に悪言する者は、根絶やしにされるであろう、
病者に無関心な者は光を見ることがなかろう。
78
病中にある兄弟に奉仕する世俗の人は、
自分の隣人に同情しない隠遁者にまさる。
79
愚かな(aphron)修道者は、自分の術の道具のことを気にしないが、
知慮或る者(phronimos)は、それに気を配る。
80
云うなかれ、今日はとどまり、明日は出て行こう、と。
知慮によってそのことを思量したのではないから。
81
遍歴の修道者は、偽りの言辞を修練するが、
自分自身の父を誤って推論する。
82
自分の着物を美飾し、自分の胃袋を満たす者は、
諸々の恥ずべき想念を牧し
慎みをもって会議の席に就くことがない。
83
もしも、あなたが村に入ったら、女たちに近づくな
また、彼女たちのもとで言葉〔=談話〕に時を過ごすな。
なぜなら、ひとが釣り針を飲むように、
あなたの魂が引っぱられるであろうから。
84
気の長い修道者は愛されよう、
自分の兄弟たちに苛つく者は憎まれよう。
85
柔和な修道者を主は愛したもうが、
向こう見ずな〔修道者〕は、〔主は〕ご自身で追い出したもう。
86
怠惰な修道者は不平を鳴らし、
寝穢い〔修道者〕は自分の頭痛を口実にするであろう。
87
もしも、あなたの兄弟が悩んでいたら、彼を慰めなさい、
そして、もしも彼が苦しんでいたら、彼とともに苦しみなさい。
そうすれば、あなたは彼の心を晴れやかにし、
大いなる宝を天に積むことになろう。
88
父の言葉を守ることをやめた修道者は、
自分を生んだ者の白髪を悪口し、
自分の子どもたちの生活を悪言するであろう、
主は彼を軽蔑して却けられるであろう。
89
口実を求めるものは、兄弟たちから引き離され、
自分自身の父を責めるであろう。
90
あなたの父を誹謗する言葉に耳を貸してはならぬ
そして、彼〔父〕を侮辱する者の魂を目覚めさせるな、
主があなたの所行にお怒りになり、
生きてあるものらの書物からあなたの名前を削除なさらないために。
91
自分自身の父に聴従する者は、自分自身を愛する、
彼〔父〕に反対する者は、諸悪に転落しよう。
92
浄福な修道者とは、主のいましめを守るひと、
敬虔な〔修道者〕とは、自分の父祖たちの言葉を護持するひと。
93
怠惰な修道者は、数多の損失をこうむる、
しかし、もしも勇気づけられるなら、その恰好(schema)さえも付け加わろう。
94
自分の舌を守る者は、自分の諸々の道をまっすぐにする、
自分の心を護る者は、覚知に満たされよう。
95
二枚舌の修道者は、兄弟たちを掻き乱す、
しかし忠信のひとは、寂静(hesychia)をもたらす。
96
自分の節制に信を置いているひとは転落するが、
自分を低くするひとは高くされよう。
97
胃の槽にあなた自身をゆだねるな、
そして、夜の夢に満たされるな。
なぜなら、そういう仕方であなたは清浄な者となり、
主の霊があなたの上に臨むのだから。
98
詩篇を歌うとき、気性が熄み
気長になったとき、不屈なる。
99
柔和さから覚知が生まれ、
向こう見ずさからは、無知が〔生まれる〕。
100
水が植物を生長させるように、
気性のへりくだり(tapeinosis)が、心を高くするであろう。
101
酒宴を追い求める人の燭台は吹き消されよう、
そのひとの魂は闇を見るであろう。
102
あなたのパンを秤で量り、あなたの水を計器で飲みなさい
そうすれば、淫蕩の霊はあなたから逃げ去るであろう。
103
老人たちに酒を与え、病人たちに食べ物を運べ、
彼らは自分たちの若さの肉をやつれさせたのだから。
104
あなたの兄弟を躓かせてはならない、
そして彼の転倒を喜んではならない。
なぜなら、主はあなたの心を知り、
死の日にあなたを引き渡されるであろうから。
105
知慮ある修道者は不動心の持ち主となる、
無知慮な〔修道者〕は諸悪を流出させるであろう。
106
邪悪な眼を主は全盲となさる、
しかし単純な者は、闇からお救いになる。
107
天に、明けの明星があるように、また、楽園にヤツメヤシがあるように、
柔和な魂に、清浄な理性がある。
108
知恵ある人は神の言葉を見つけ出すであろう、
知恵なき者はそれら〔神の言葉〕を嘲笑するであろう。
109
神の覚知を憎み、その観想を拒否する者は、
自分の心臓を槍先で突き刺す者に似ている。
110
三位一体の覚知は、非身体的なものらの覚知にまさり、
その〔三位一体の〕観想は、すべてのアイオーンの言葉に〔まさる〕。
111
老人たちの白髪は柔和さである、
彼らの生命は、真理の覚知。
112
柔和な若者は数多くのことに耐える、
気の小さい老人を、誰が支えられようか?
わたしは見た、怒りっぽい老人がその王座に引き上げられるのを、
しかしながら、若者は彼よりもより多くの希望を持っているのだ。
113
この世の俗人たちを罪に誘う者は、罰せられないではすまない、
また、彼ら〔俗人たち〕を苛立たせる者は、その名を侮辱するのだ。
114
主の教会を掻き乱す者は、火が焼き尽くす、
祭司に反抗する者は、大地が呑みこむ。
115
蜂蜜を愛する者は、その蜜蝋を喰う。
これを集める者は、霊に満たされるであろう。
116
主を讃えよ、そうすれば、非身体的なものらの言葉をあなたは知るであろう、
そして彼〔主〕に仕えよ、そうすれば、アイオーンたちの言葉を受けるであろう。
117
覚知なくして心が高められることはない、
そして樹も、飲むことなくしては花咲かない。
118
クリストスの肉は、修行をつんだ諸徳。
これを食する者は、不動心の持ち主となるであろう。
119
クリストスの血は、過去に生まれた者たちの観想
そしてこれを飲む者は、これによって知恵をつけられるであろう。
120
主の胸は、神の覚知、
これにもたれる者は、「神-言(ロゴス)」論者となる。
121
覚知に目覚めた者と修行をつんだ者とがお互いに出会った、
両者の中間に、主は立っておられる。
122
愛を得た者、宝を得た者は、
主から恩寵を得た。
123
ダイモーンたちの教説を、知恵は認識する、
これの奸智をつきとめるのは、知慮である。
124
聖なる教説を無駄にするな、
それ〔聖なる教説〕は、あなたの父祖たちが定めたところのものである、
あなたの洗礼の信仰を棄てるな、
そうして、霊的な封印を却けるな、
主があなたの魂の中にあって、
悪しき日に、あなたを蔽ってくださるように。
125
異端者たちの言葉は、死の天使たち、
そしてこれを受け入れる者は、自身の魂を失うであろう。
126
だから、今、わたしのいうことを聞きなさい、
そして、不法な連中の扉に近づいてはならぬ、
彼らの罠の近くをぶらついてもならぬ、罠にかからないため、
あなたの魂を偽りの覚知から遠ざけておくために。
というのも、わたしは何度も連中としゃべり、
連中の闇に包まれた言葉を追い立て、
そこにヘビたちの毒があるのを見つけたのだから。
連中の言葉には、知慮なく、知恵もない。
連中を受け入れる者はみな、滅びるであろう。
そして、連中を愛する者たちは、諸悪に満たされるであろう。
わたしは見たのだ、連中の教説の父たちを
そして、沙漠の中で彼らに遭遇した。
というのは、主の敵たちがわたしに襲いかかり、
そしてダイモーンたちが言葉によってわたしに戦いを挑んだが
連中の言辞に真実の光をわたしは見なかったのだ。
127
虚言する者は神から脱落し、
自分の隣人を欺く者は、諸悪に転落するであろう。
128
神の楽園は菜園にまさり
主の川は、大地に影さす大河にまさる。
129
天上の水は、
大地から水を汲み上げたアイギュプトスの知者たちの〔水〕よりも信ずるにあたいする。
130
車輪をのぼる者たちが〔最後は〕下方にあるように、 自分たちの言葉を高くする者たちは、それ〔言葉〕によって低くされている。
131
主の知恵は心を高くし、
その知慮はそれ〔心〕を清浄にする。
132
先慮(pronoia)の言葉は影があり、裁きの観想は考えがたい、
しかし修行をつんだ者は、それ〔言葉〕を認識するであろう。
133
自分を清浄にする者は、叡智(noera)の諸々の自然を見られる、
非身体的なものらの言葉を、柔和な修道者は認識するであろう。
134
聖なる三位一体が被造物であるという者は、神を呪う者である、
そして自分のクリストスを否認する者は、彼を覚知しないであろう。
135
この世の観想は心を広くする、
先慮と裁きの言葉は、それ〔心〕を高くするであろう。
136
非身体的なものらの覚知は、理性をたたえ
これを聖なる三位一体の前に立たせる。
137
明白な格言を、主においてあなたがたに与えた者を記憶せよ、
そして、祈りのときに、わたしの低き魂を忘れるなかれ。
2005.01.08. 訳了。