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back.gifシビュッラの神託

原始キリスト教世界

ティブル人の神託




[解説]






[底本]
TLG 2960
ORACULA TIBURTINA
(A.D. 4)
1 1
2960 001
Prophetia, ed. P.J. Alexander, The oracle of Baalbek. The Tiburtine
Sibyl in Greek dress [Dumbarton Oaks Studies 10. Washington, D.C.:
Dumbarton Oaks, 1967]: 9-22.
9999 001 2960 1 5
(Cod: 2,220: Orac.)





預言(Prophetia)』

2960 001 1
 [表題。]シビュッラの〔書〕、大いなる都市ローマの100人の法官の幻を、黙示によって説明したところの。

 シビュッラがローマにやって来たとき、大も小も、あらゆる都市が彼女を訪問したなかで、100人の法官たちが彼女を訪問して言った。「御身の王国の知恵と洞察は偉大なり。今、われら[100人の法官]が徴を見た幻を説明したまえ。われらこれを説明することかなわず、これの解き明かしを知ることかなわざれば」。そこでシビュッラが答えて彼らに謂った。「大いなる都市ローマのカピトリウム丘に行きましょう。そうすれば法廷があるでしょう」。そこで彼らに指図された通りになった。

 そこで彼女は彼らに向かって謂った。「あなたがたが見た幻をわたしに告げてください、そうすればその解き明かしをあなたがたに説明しましょう」。そしてシビュッラは、カピトリウム丘に坐って、オリーヴ油の中から?彼らに答えて言った。「汝らは何を見しか、われに告げよ」。そこで100人の法官たちが答えて彼女に向かって言う。「9つの太陽が大地の上に輝くのを見たのです」。するとシビュッラが答えて彼らに謂った。「9つの太陽は9つの世代なり」。彼らが彼女に向かって言う。「そうでなければなりません、われらが女主よ、幻の中で見たすべてをあなたに告げましょう」。するとシビュッラが答えて云った。「そうでなければならぬ」。そこで法官たちが彼女に言う。「幻を見たとおりに、そのようにまたあなたに告げましょう」。彼らにシビュッラが言う。「して、いかに見しか」。くだんの者たちが彼女に言う。「こういうふうに見たのです。つまり、第1の太陽は彩りも綾に、きらきら輝き、光に満ち、巨大で、すこぶる明るい。第2の太陽は、このうえなく明るく、巨大で、彩りも綾に、きらきら輝く。第3の太陽は、血のようであり、奈落のようであり、巨大で、火と燃えている。第4の太陽は、血のようであり、奈落のようである。第5の太陽は、血のようであり、このうえなく明るく、雨の中の稲妻のように閃いている。第6の太陽はおぼろで、見かけは雪のようであり、血のようである。第7の太陽は、奈落のようであり、血のようであり、怖ろしい。第8の太陽は、真ん中に手を持っているほどにきらきら輝いている。第9の太陽は、自余のものらに超絶して奈落のようであり、輝きを有している」。

 するとシビュッラが答えて云った。「9つの太陽は、9つの世代なり。第1の太陽は、第1の世代。人間たちは無悪、長寿、自由、真実、温和、立派、真理を歓愛する者たちなり。第2の太陽は第2世代、この人間たちも真実で、温和、客遇を好み、無悪で、生まれつき自由人を歓愛する者たちなり。第3の太陽は第3世代。王国の上に王国が、民族の上に民族が起ち、彼らは戦士となるであろう。ただし、ローマ人たちの都市の中では客遇を好み、慈悲深い者となるであろう。第4の太陽は第4世代。正中に神性の子孫が現れるであろう。すなわち、ヘブルの地に名をマリアという女が目覚め、息子を産み、その名をイエスと〔ひとびとは〕呼ぶであろう。そしてヘブル人たちの律法を無効とし、自身の律法を立て、この律法が王支配するであろう。そして諸天は彼によって開かれ、声を得て、御使いたちの軍勢は彼の玉座を運び、彼の足の六翼の沓にひれ伏すであろう。そしてガリラヤから男たちを連れ、律法を定めて、彼らに向かって云うであろう。『汝らがわたしから受け取ったロゴス、これを72の言語を話す諸民族に布令よ』と」。

 そこでヘブル人たちの祭司たちが彼女に言う。「われらの畏れ多き女主人よ、御身に尋ねることを求めます」。そこでシビュッラが答えて彼らに向かって言う。「望むことをわたしに告げよ」。そこで彼女に向かってくだんの者たちが言う。「われらは諸々の族民たちから話を聞いております。将来、諸天の神が息子を産みたもうであろう、と。それが起こると信じられますか、われらの女主よ」。シビュッラが彼らに向かって言う。「ヘブル人の祭司でありながら、そなたたちは信じざるや」。彼女に言う。「将来、神が息子を産むとは、われら信じず。というのも、われらからその手を引くことなしとのロゴスを、われらの父祖に与えたもうたゆえに」。彼らにシビュッラが言う。「そのロゴスは汝らにとって杙(skovloy)なり」。そこで彼女に言う。「いったい何をおっしゃっているのですか、われらが女主人よ、この論点について」。

 そこでシビュッラが答えて彼らに向かって云った。「諸天の神は、将来、息子を産みたもうであろう。それは、父と等しい者たりえ、幼な児に等しい姿をとられる方であろう。そして自分の王国に立たれるであろう、アレクサンドロス、セレウコス、ヘロデ、この者たちは自身を救うことはできなかったが。彼らはユダヤの地に多くの迫害を行い、彼らの子孫といっしょになって幼な児を殺害し、そのためにヨルダン川は血と混ざり合うであろう。しかし彼らは何ら益されることがなかろう。さらにその後、〔磔の〕木の上で磔刑にされることになる方は、数多くの癒しを行われるであろう。そして彼らは供儀するかのようにその〔女性形〕の祭壇を……、ユダヤの地に行われた諸々の徴を聞くであろう。そしてプリュギアから、名をアウグストゥスという王〔在位前27-後14〕が起ち、ローマを王支配するであろう。そして全世界が彼に服するであろう。そしてローマの王たちはそれぞれ彼の名[アウグストゥス]呼ばれることになろう。キリストが磔になる三倍浄福な木は……さらにその後、ユダヤの民たちは集まり、〔十字架の〕木の上に吊されることになる方は、徴を行い、多くの人々を癒されよう。〔人々は〕彼といっしょに三人を木の上に吊し、葦で彼の脇腹を突き刺すが、何ら彼に不正することはないであろう。

 第5の世代には、アンティオコス、ティベリウス、ガウウスという3人の王が起ち、木によって十字架にかけられた方ゆえに、数多の迫害を行うであろう。そして、ヘリオ・ポリスの神殿とレバノンの祭壇を建て直すであろう。そしてくだんの都市の神殿は巨大であり、世界のあらゆる神殿に超絶して立派である。

 第6の世代には、短命な二人の王が起ち、キリスト信者たちに対して数々の迫害を行うであろう。そして彼らの支配者たちは裁きを下し、元老院の?部隊を滅ぼし、キリストの名ゆえに彼らを殺すであろうが、何らの効もなかろう。さらにその後、名をコンスタンティヌスという王〔在位306-37〕、怖ろしく強い戦士が起ち、諸々の族民たちの神殿、レバノンの祭壇、彼らの供儀をことごとく破壊し、ギリシア人たちを平定するであろう。そして彼に対して天に徴が現れ、キリストつまり生けるの息子が十字架にかけられることになる十字架の木を、彼の母ヘレナがユダヤの地に探し求めるであろう。そしてビュザンティオンを再建し、くだんの都市の名を変え、コンスタンティヌスの都市エウドコポリスと呼ばれることになろう。そして72の言語を話す全部族がここに住むであろう。驕るなかれ、都市ビュザンティオン、汝の60年の3倍の期間、汝が王支配することはけっしてなかろう。

 さらにその後、3人の王、コンスタンティヌスの孫ユリアヌス〔在位361-63〕、ヴァレンティニアヌス〔在位364-75〕、ヨヴィアヌス〔在位363-64〕が起ち、数多の迫害を行うであろう。そして彼らの中の一人は火によって滅びるであろうが、蛮人たちがローマの諸々の都市に不正を働くことはけっしてなかろう。さらにその後、マルキアヌス〔在位450-57〕とテオドシウス〔1世、379-95〕という二人の王、強力な統治者、戦士にして義しい裁き手、信仰の教師が起ち、ギリシア人たちの残存する諸神殿を壊し、族民たちの神殿は聖者たちの墓となるであろう。

 第7の世代には、アルカディウス〔在位395-408〕とホノリウス〔在位395-423〕が王の時、ローマは小径つまり小径の都市となるであろう。プリュギアに捕虜の身が生じ、パムピュリアは荒廃するであろう。さらにその後、二人の王、テオドシウス〔2世、408-50〕とヴァレンティニアヌス〔3世、425-55〕、温和で、立派な王が起ち、戦争の上に戦争をみずからの上に引き起こすであろう。シリアはシリヤは捕虜となり、次いでそういうふうな中で僭主たちの強力な一族が起ち、東方のタウロス、アルメニアのアンティタウロス、レバノンを掠奪するであろう、そして以前に移住した諸都市が立ち直ることは決してないであろう。そしてペルシア人たちが起って強力な戦争にふけり、ローマ人の支配下を抜け、40年間平和をもたらすであろう。そしてprovpioVな戦士が<ヒエロポリスに>侵入し、諸都市の神殿とレバノンの祭壇を粉砕するであろう。そして大いなごや移住いなごが来襲し、シリアとカッパドキアの労苦〔の所産〕を食い尽くすであろう。そしてカッパドキアは飢饉になるであろう。さらにその後、繁栄が起ころう。その時、親はわが子を拒み、子は親を拒むであろう。兄弟は兄弟を死に引き渡すであろう。兄弟は姉妹と交情し、父は娘と交わり、若者は老婆を襲うであろう。監督官は毒害者となり、長老は姦通するであろう。そして流血が地に起こり、聖者たちの軍勢は神殿を嫌悪するだろう。そして、姦通、淫行、少年愛が起こり、彼らの振る舞いを不名誉と呼ぶであろう。だが、強欲な者たち、強奪者たち、黄金好きの者たち、尊大な者、法螺吹きたちがいるであろう。そして羊たちや牛たちのいる地方では、大量死が起ころう。トラキアは、ローマ人たちの背信により、またそのはなはだしい黄金好きのせいで、蛮人たちに荒らされるだろう。さらにその後、マルキアヌスが起ち、諸々の戦争が起こるだろう。そしてアフリカの僭主の中から、名をギゼリコスという者が起ち、ローマを虜とし、その者の存命の時が満たされるまで、優勝者たちから滅ぼされることはあるまい。こうして彼の王国は30年間存続するであろう。そして〔彼は〕ローマを、そのはなはだしい黄金好きゆえに、低くするであろう。ダマルテヤはまったく海没し、カラブリヤは捕虜とされるであろう。

 第8の世代には、獣にちなんだ名をもつ王が起つであろう。彼の御代を支配するのは、宇宙の罠、地震、都市や土地の海没、そして戦争と諸都市の炎上があろう。トラキアは荒廃し、ローマの地に住む者とか指図する者はいない。タウロキリキアは頸を高くさしのばすが、スキュッラ、王支配する獣の雌が起ち、2つの胎を生むであろう。その〔胎〕からひとりの男が<産まれ>、〔人々は〕父の名で呼ぶであろう。つまり、彼自身も、自分の父親の獣に由来する名をつけられた者となろう、地上の王国のひとつの同質性を持っているからである。彼の王国には、イサロスが現れる。そしてこの者は父にひれ伏す。まさにその時、くだんの者たちは、息子に冒涜のロゴスをあるがまま云うであろう。そして彼の父は、彼のロゴスのゆえに、彼の王座から荒々しく引きずり降ろされ、放縦と胎の力能が、52年間、覇権を握るであろう。さらにその後、王イサウロスが生まれ、自分の都市の住人たちを憎み、自分の領土に亡命するであろう。そしてもうひとりの王が起つが、それは尾を引きずる獣の名である。ただし、この獣の名の頭文字は第2字母で書かれる。それはBasilivkoVである。そして至高の神に対して冒涜のことばをしゃべり、またその冒涜のことばのせいで、女性から嘲弄され、本人も、本人の親族もすべてが悪しき滅び方をする。さらにその後、イサウロスは自分の王国に向きを変えるが、彼の王国が天から与えられるものではない。しかし、彼の名は、ローマの文字のアルファベットの終わりまでの中に含まれており、ギリシア語では第7字母〔h\ta〕で書かれる。その名はギリシア語-ラテン語〔両語〕である。そして彼の王国は力能があり、あらゆる民の気に入るからである。権力をもった貧民を愛し、富裕者たちを低くするであろう。さらにその後、もうひとり別の王が、都市エピダミノスの西に起つが、その名はラテン語でデュッラキウム注1)である。しかし、王の名は諸族民に隠されているが、その名は週末の日と等しく、18文字で書かれる。しかし彼の王国をとる場合には、アナスタシウス〔1世、在位491-518〕と呼ばれるであろう。彼は禿頭、外貌は立派で、その額は銀のごとく、長い右手をもち、高貴、怖ろしく、気前がよくて自由、あらゆる貧しい者たちを憎む者である。数多くの民を、義によっても不義によっても、破滅させ、神に対する敬虔を堅持する者たちを絶滅させるであろう。そして彼の御代にペルシア人たちが起ち、東方の諸都市を、大勢のローマの軍勢といっしょになって、戦刀によって転覆させるだろう。そして31年間、王支配するであろう。

 さらにその後、掠奪者、強欲者、僭主、蛮族、[自分の父親]母親を憎む者たち、徳の温和さの代わりに蛮族の振る舞いを身につけた者たちが出よう。自分の祖国を掠奪し、詩人やその作品を心にかける者はいない、自分たちのはなはだしい愛銭のために、自分たちの大地を耕す連中だからである。さらに第9世代には、年は月のように、月は週のように、週は日のように、日は時刻のように切り詰められるであろう。そして2人の王が東方から、2人がシリヤから起ち、アッシリア人たちが海の砂のように数えきれぬ数となり、東方の数多くの土地を、カルケドンに至るまで受け継ぐであろう。そして数多くの流血が起こり、そのため、血は海に、軍馬の胸まで混じることになろう。そして捕虜にし、諸都市を炎上させ、東方を蹂躙するであろう。さらにその後、もうひとり別の王が東方から起つ、その名はオリボス。この者は自分より前の4人の王を攻め取り、これを殺す。そして不完全を引き継がぬという公然たる目標を与え、東方の全体とパレスチナの民のすべてを新しくするであろう。さらにその後、もうひとり別の、異様な姿をした王が起ち、30年間、王支配し、エジプトの祭壇を建て直すであろう。そして東方の王に戦争を仕掛け、これと、その全軍を殺し、12歳の時から子どもたちの覇権を握るであろう?。そして〔彼らは(複数)〕コブラの覇権を握り、幼児を持った女たちに乳を飲ませ?、矢弾の毒薬と敵勢の困窮によって血を流させるであろう?。ああ、子宮に〔胎児を〕持てる女たち、くだんの日々に授乳する女たちは禍なるかな。東方の諸都市は墳丘となるであろう。そして、カッパドキアの血塗られた族民に生まれ〔た者は〕、舌打ちして、云うであろう。『はたして何時になったら、この都市は除かれるのか』。さらにその後、女が起つであろう。日没の地から太陽の昇る地まで走るが、人間を目にすることはなく、人間の足跡を欲するが、しかし見つけることは決してない。そして葡萄の木とオリーブに木を見つけて云う。『これを植えた者は、はたしてどこにいるのか』。そしてこの木を編んで、息を授けるであろう。すると狼たちが彼女を喰らうであろう。さらにその後、ヘーリオ・ポリスから王が起ち、東方の王に戦争を仕掛け、これを殺すであろう。そして、3年6ヵ月の間、この地方全体に破滅をもたらし、大地はその稔りをもたらすであろうが、食する者はいない。そして、破滅の支配者、変身した者がやってきて、彼を打倒し、殺すであろう。そして大地の上に徴と奇跡を起こすであろう。太陽を暗黒に、月を地に転向させるであろう。さらにその後、泉と河川は乾あがり、エジプトのナイル川は血に変わるであろう。そこで、生き残った人間どもは、生命の水を求めて池を掘るが、しかし見つけられないであろう。まさにその時、二人の男が現れるであろう、この者たちは死の試みを知らない者たち、エノクとエリアである。彼らは破滅の支配者と戦うであろう。そして云うであろう。『わたしの好機は近づいた、怒って彼らを殺すであろう』。まさにその時、〔十字架の〕木の上で磔になった方が、諸天から、大いなる発光体のようにやって来て、光を発しつつ、くだんの二人の人物を引き上げるであろう。そして、十字架に吊された方は、破滅の息子と戦い、これと、これの全軍を殺すであろう。この時、エジプトの大地は12椀尺〔の深さまで〕燃え、大地は神に向かって叫ぶであろう。『主よ、わたしは処女です』。すると今度はユダヤの大地が18椀尺〔の深さまで〕燃えるであろう、そこで大地が神に向かって叫ぶであろう。『主よ、わたしは処女です』。まさにその時、神の息子が、力(duvnamiV)と多大な栄光(dovxa)をともなって、第9の世代を裁くためにやってこられよう。その時こそ、キリスト、生ける神の息子が、彼の聖なる御使いたちとともに、王支配なさるときである。アメーン、かくあれかし、アメーン」。

2010.04.25. 訳了。

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