伏見稲荷大社祭事記
令和六年年間行事予定
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開 催 時 期 |
行 事
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記 事
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1月1日午前6時
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歳 旦 祭
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新玉の年の始めを寿ぎ,国家安泰・五穀豊穣・家業繁栄が祈願される。 社頭では,”新春大札”をはじめ海運絵馬・
守矢・干支の人形などが授与される。
この日は、日本全国から老若男女が初詣に訪れる。
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1月5日
本殿祭 正午
山上ノ儀午後1時30分
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大 山 祭
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早暁に稲荷山の七神蹟に新しい注連縄を張る神事−注連張神事(しめはりしんじ)−が執り行われる。
本殿際の後,宮司以下祭員が山上の御膳谷の御饌石(みけいし)の上に中汲酒を盛った斎土器(いみどき)70枚を供え,宮司以下祭員が日陰蔓(ひかげのかづら)を首に掛け七神蹟を巡拝する。
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1月8日午後1時
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成 年 祭
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成年に達した青年男女の希望に満ちた門出を祝福するおまつりで,本殿祭では氏子・崇敬者の成人に達した男女が参列し,神前に”三つの誓”を奏上する。
また,この日に因んで参集殿ホールに於いて,古式による元服式が実演される。
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1月12日午後2時
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奉 射 祭
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本殿祭に引き続きお山斎場で「奉射の儀」が行われる。 これは,先ず副斎主が四方天地を神矢にて射た後,神職2名により,オロチと称する注連縄の中央に設けた大的を射るもので,以前はこの当たり方によって当年の五穀の豊凶を占ったとされるが,今日では邪気を祓い陽気を迎え,五穀の豊穣と家業繁栄をも願って斎行される。
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2月3日午前9時
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節 分 祭
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冬と春の分かれ目に際し,禍を祓い招福を願って斎行されるおまつりで,本殿祭のあと,祭事終了後・11時半・午後1時の3回にわたり,講員や女子大生の奉仕による福男・福女・福娘の豆まき行事が行われる。
※令和4年の豆まきはコロナ禍により取止め。
なお、福豆は節分祭終了後の1回のみ、配布(数に制限あり)。
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2月12日
(初午の日)
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初午大祭
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大神御鎮座由縁の日である2月初午のこの日は,全国から参詣者が群参し,御社頭は云うまでもなくお山に至るまで終日奉賽者賑わう。この日の参詣を”初午詣で”あるいは”福まいり”と称し,古く平安の昔より歌に詠まれたり,物語になったりした初春第一の大祭である。 前々日(初辰日)より,本殿及び摂末社は青山飾(おおやまかざり)で飾られ,社頭では「験(しるし)の杉」を拝受する崇敬者が引きも切らない有様となる。 なお,旧暦2月初午には,御膳谷奉拝所において,お塚大祭が斎行される。
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2月17日午前10時
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祈 年 祭
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稲穀をはじめ農作物全ての豊穣を祈り,併せて諸産業の興隆・繁栄をも祈る大祭である
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4月7日午後1時
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産 業 祭
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衣食住の大祖神であり,あらゆる産業の守護神である稲荷大神に,日頃の御神恩感謝し,産業の益々の発展興隆を祈願するお祭り。 神楽殿では胡蝶の衣装を着けた舞人により,楽の音も華やかに「桜花の舞」が奏される。
桜花舞歌
宮人の花を手ごとに神まつる
とききにけらし春のみてぐら(大山為起)
雲やたつ霞やまがふ山桜
はなよりほかも花とみゆらむ
(藤原俊成)
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4月12日午前11時
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水口播種祭 |
稲種を苗代田におろすにあたり,大神の御加護により,立派な稲の成長を祈願するお祭りである。 本殿祭の後,大阪の三島初穂講の奉耕者により,神田において播種の儀が執り行われる。
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4月21日午前11時
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稲荷祭(神幸祭)
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稲荷大神が年に1度,産土地(うぶすなち)を御巡幸になり,広く御神徳を御垂れになる,大社で最も重要な意義深いお祭り。 午前11時の神幸祭に続いて,御神璽が飾りつけを終えた5基の神輿にお遷しされる。 午後2時,神輿は宮司以下神職・氏子・崇敬者が整えた供奉列と共に御本社を発ち産土地を巡幸して,午後3時頃に京都駅南にある御旅所に到着する。そして,奉安殿におさめられ,以後5月3日までこの御旅所にとどまり,氏子崇敬者の参拝を受ける。
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5月3日午後4時
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稲荷祭(還幸祭)
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この日,本殿では御神璽をお迎えする為,内陣を葵桂で奉飾する「葵桂奉懸の儀」が午前9時に行われる。午後2時,絢爛豪華に装飾が整った5基の神輿は御旅所を発ち,三十数台にも及ぶ供奉列・奉参列を前後に従え,下京区・東山区・南区にまたがる産土地域を広く巡幸して,午後4時頃本社に到着する。引き続いて,御神璽は本殿にお遷しされ,無事の還御を称えて還幸祭が齋幸される。
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6月10日午後1時
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御田植祭
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4月12日の水口播種祭で種おろしされ成育した早苗を神田に植え,豊かな稔りを祈願すると共に,日本国中で植えられる早苗の成育と秋の稔りをも祈願するお祭りである。本殿祭の後,神田において御田植の儀が行われるが,これは大阪の三島初穂講の奉耕者によって奉仕される。また,本殿及び神田では汗衫(かざみ)装束で装った神楽女による,優雅な「お田舞」が奏される。
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6月30日午後3時
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大祓式
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いわゆる「夏越(なごし)の祓」で,元旦以来われわれが日常生活の中において,無意識のうちに過ちを犯したかも知れない罪障を人形(ひとがた)に託し,河海に流しやる行事。 また,楼門と外拝殿の間に「茅の輪(ちのわ)」が設けられる。これをくぐることにより,病気や災難から逃れられるという古くからの信仰にもとづくものである。
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7月20・21日
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宵 宮 祭
本 宮 祭
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宵宮祭は午後六時より斎行され,
続いて”万灯神事”が行われる。これは,火鑽神事によっておこされた御神火をもってまず中門の左右にある灯籠に灯が点じられ,その後神職の先導により,
講員や崇敬者達が順次列をなして,御社頭,参道,お山一円にある灯籠に灯を点じていく。一方,境内にはおびただしい数の紅提灯が奉納され,それぞれ奉納者の
名前を記して二日間点灯される。夕刻には,参集殿前の広場では賑やかに”本宮おどり”が奉納される。 本宮祭は午前9時からの大祭式をもって斎行され,
おみたま拝戴者の日頃の無事安全と繁栄が祈願される。夕刻には大社周辺の町内会主催による本宮踊りが繰り広げられる。 また,外拝殿には,近在の画家二百余名から
奉納された行灯画四百数十点が展観され,華やかに彩りを添える。
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9月 1日午前9時
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交通安全祭 |
交通安全と生業繁栄を祈願する。境内の特設「祓所」では,9月1日から7日までの1週間,車のお祓いを執り行う。
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10月25日午前11時
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抜 穂 祭
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四月の水口播種祭,六月の田植祭と祈願され,成育した稲を刈り取るお祭りで,刈り取られた稲は11月23日の新嘗祭にお供えされる。また稲藁は火焚祭に焚き上げられる。
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11月8日午後1時
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火焚祭 |
今年の五穀豊穣を感謝し,稲の実りに大きな働きをした稲藁を忌火で焚き上げ,穀神を本津御座(もとつみくら)へお送りし,新春に大神の再来を祈願する。その忌火により,全国津々浦々の講員・崇敬者から寄せられた罪業の形代である火焚串を焚き上げ,家内安全・罪障消滅・万福招来を祈る。午後1時より本殿際が行われ,引き続いてお山祭場に進み火焚神事が行われる。これは,全国の崇敬者より寄せられた三十数万本にも及ぶ火焚串を,井桁に組まれた火床に納め,忌火をもって焚き上げるもので,宮司以下神職・講員・崇敬者の大祓詞奉唱と神楽女の振鈴の中で,家内安全・罪障消滅・万福招来が祈られる。火は初冬の澄み切った空を赤々と焦がし,夕刻まで長時間燃え続ける。 午後6時からは本殿前の庭上に於て御神楽が行われる。これは大社神職により奉仕されるもので,庭燎の薄明かりの中で,本歌・末歌・和琴・笛・ひちりきが次々と奏れられ,続いて附歌が加わると,古雅な人長舞が舞おさめられる。この御神楽は静かな浄闇の中で2時間にも及ぶ非常に印象的な神事である。
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11月23日午前10時
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新 嘗 祭
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抜穂祭で刈り取られた新穀を大神に奉献し,今年の豊作を感謝するとともに,国の平安を祈念するお祭りである。
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12月31日午後3時
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大 祓 祭
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一年を,前半と後半に分けて考える我民俗行事にあって,最も顕著なかたちで残っているのがこの大祓である。即ち6月の「水無月の大祓」に対し12月は「師走の大祓」と称されるもので,この年の後半に犯したかもしれぬ罪穢を祓い,清々しい心身で新年を迎えようとする行事である。
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12月31日午後4時
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除 夜 祭
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一年間を無事過ごし得た感謝のお祭りである。
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祭事の情報は稲荷大社機関誌「大いなり」に基づいていますが,開催日は年により異なることがあります。
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