皇統に対する世論調査のいかがわしさ



女系天皇を容認する見解が多数という世論調査などがあり、

危機感を感じている人もいるかと思いますが、私はそんなに焦ってはいません。

その見解のほとんどは「女系でもいい」だからです。

「女系でもいい」というのは「男系でも女系でもいい」の略でもあります。

だったら男系継承を続けていくことにも反対しないということですから、

結局、何も言っていないのと同じことです。

「女系も可」という意見が多数ということは、

何も主張しない人が多数ということでもあるのです。

本来、皇位継承についてよく知らないのであれば、

口出ししないのが日本人のあるべき姿です。

そう考えればあまり問題はないと思います。


重要なのは、「女系じゃなきゃだめだ」という人がどれくらい存在するかということです。

この数字が明らかになるまで、いくら世論調査をやっても意味のないことだと思います。

その点を明らかにする世論調査の設問は、こうでなければなりません。


「皇室では二千年以上に渡り男系による継承が続いており、

現在は幼少の悠仁親王殿下まで皇位継承者が定まっている。

この男系継承をさらに安定させる方法として、

戦後すぐに皇籍離脱を余儀なくされた旧宮家の復活がありますが、反対しますか?」


要するに誰が猛反対するのか、はっきりさせる必要があります。

女系天皇を容認するために皇室典範を改正しようとすれば、

保守派を中心に大反対が巻き起こるでしょう。

一方で、旧宮家の復活をやろうとしたとき、どれだけの大反対が巻き起こるでしょうか。

私はほとんと激しい反対は巻き起こらないと予測していますが、

一度それを調査してみでもいいのではないかと思っています。


それをやらずに抽象的な世論調査を根拠に皇室典範に手をつけるようなことは、

断じて許されないことだと考えます。






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