できないものはできない



皇統について考える場合、

日本古来の歴史・伝統と、法律を明確に区別する必要がある。

皇位簒奪(こういさんだつ)とは、

本来皇位継承資格が無い者が天皇の地位(皇位)を奪取すること。

皇族の女系子孫というのは、日本国がはじまって以来、

二千年以上、皇位継承資格が無い者である。

国会で法律を変えて、本来皇位継承資格の無い者が天皇になれば、

それはまさに王朝交代、国体の変更となる。


日本というのは法律を変えれば何でもできる国ではない。

例えば法律を変えて、NHK紅白歌合戦で一番人気のある歌手を

天皇にすることはできない。

なぜできないのか。

できないものは、できない。

天皇の正統性は歴史・伝統に基づいているからである。

つまり法律よりもはるか上位に、日本の基軸となる歴史・伝統が存在する。

皇室典範は法律ではない。

皇統というものは、法律論や世論で決めるべきものではない。

歴史・伝統にしたがいながら決すべき事柄なのである。


そう考えれば、女系天皇論はわが国の歴史・伝統には一切存在しない。

むしろ徹底的に排除されてきたのが女系による継承であった。

皇室典範という法律を改正して女系天皇を認めるというのは、

紅白歌合戦の人気歌手を天皇にするのと同じである。

日本は法律で何でも決められる国ではない。

日本とは世界最古の歴史・伝統に基づき成立している国である。

できないものは、できない。

これが崩れたなら日本は日本でなくなるだろう。





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