皇室を「あきらめた」と言える男、小林よしのり



小林よしのり氏が、自身のブログで皇統について敗北宣言のようなことを述べている。

とるに足らないものだが、その内容があまりにも滑稽なので、

少しネタにしてみたいと思う。



----------小林よしのり----------

野田政権でできないのなら、あとは愛子さまの皇位継承を握りつぶした張本人

安倍晋三が政権をとって何とかするしかない。

もちろん「男系絶対固執派」のボス・安倍晋三だから、

旧宮家系の男系男子を皇族にするか、養子にするのだろう。

それは誰なのか?

そんな人物がいるのか?

一体誰が、自分の子供を手離して、皇族の誰が養子として育てるのか?

わしには見当もつかない。

しかも1人や2人では無意味だ。

「男系絶対」で皇位を繋ぐには、確率的に4人は男系男子が必要だ。
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これを言っている時点で、すでに議論に完敗している。

思わず本音が出てしまったのだろう。


小林よしのり氏の以前の記述はこうだ。


百歩譲って、仮に「600年バイパス傍系手術」をして旧宮家を復活させ、

男系男子を維持したつもりになっても、それは単に問題の先送りでしかない。

男系にこだわるならば、側室を置かない限り、

数世代後に皇統は再び危機に陥ること確実なのだ!(『新天皇論』P207)


これについて、私はそんな馬鹿なことがあるか、と思い、

子供2人〜3人の場合の男子誕生率75%〜87・5%であることと、

西洋の王室は一夫一婦だったが男系継承を続けた実例を示して批判した。


小林よしのり氏が現在「男系絶対で皇位を繋ぐには、確率的に4人は男系男子が必要」

と述べていることが、自らの著作である『新天皇論』を否定しており、

敗北宣言となっているのだ。


ちなみに皇族復帰するのが1人や2人でも、「無意味」とまではいえない。

数世代先に男子が4人になっても何の不思議もない。

ただ、少し心許ないだけであって、

できれば4人以上の復帰が望ましいというだけのことだ。



----------小林よしのり----------

4人の一般国民を、今から皇族にでっち上げなければならない。

それが無理だと思うから、わしは女系も含む「双系」こそが伝統だと主張してきた。
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論理が無茶苦茶だ。


「○○が無理だから、××が伝統だと主張する」

こんな日本語はありえない。

無理だろうと何だろうと、伝統は伝統である。


私は女系論者について、まず結論を決めて、そこから歴史をさかのぼり、

論理を組み立てていく構造を指摘して、

それは左翼の論理構造と同じであると問題視してきたが、

この発言は、まさにそれを物語っている。

結論があって、後から伝統がついてきている。


まず歴史・伝統について考え、そこからあるべき方策を導くのが、

伝統を重んじる正しいあり方ではないか。



----------小林よしのり----------

わしはもうやるだけやった。

これ以上、やりようがない。

わしはあきらめた。
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そもそもそんな簡単にあきらめられるような話だったということだ。

普通は尊皇の気持ちがあれば、皇室について、

そんな簡単にあきらめたなどという発言が出るわけがない。

これが彼の“本質”だ。


ところで「やるだけやった」とは何のことだろう。

議論から逃げまくって、いったい何をやったのか。


従軍慰安婦論争のとき、自虐史観の左翼活動家のなかに乗り込んでいってまで

議論していたあの姿こそ、「やるだけやった」といえるものであって、

ここ数年の小林氏が、何をやるだけやったのか、私には理解できない。

漫画を書いたことだけが、「やるだけやった」ということか。


要するに、生半可な気持ちで皇室をテーマに取り扱ったものの、

コテンパンに論破され、散々な目に遭ったので、

手を引く名目に、野田政権の判断を利用しただけだろう。


そうでなければ、たかだか民主党政権が皇室典範改正を見送ったぐらいで、

「あきらめた」などと宣言するわけがない。

普通の常識では考えられない。


ひょっとすると、小林氏の行動は、民主党・宮内庁との動きと連動していたということか。

そういえば、『新天皇論』の元となる「天皇論追撃編」の連載開始時と、

民主党政権発足が重なる。

民主党政権がスタートした直後、羽毛田宮内庁長官(当時)が会見で突然、

皇室典範改正の必要性を公言し、

そこから小林氏が宮中茶会に招待されたりしている。

そして、民主党政権が皇室典範改正を見送ると、

小林氏が「あきらめた」と言って手を引く。


陰謀論のようであるが、我ながらあまりに出来すぎたストーリーなので、

つい疑いたくなってしまう。


いずれにしても、明らかになった事実は、

小林よしのり氏が簡単に皇室を「あきらめた」と言える男だったということ。

私は万世一系の皇統を守るためなら、最後の最後まで闘う。




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