新憲法17条をつくれ
憲法を改正して新しい憲法をつくろうという動きが
これからますます活発化していくだろうが、
議論百出でなかなか決めるのも大変な側面もある。
そこで新しい憲法は17条程度にしておいて、
その中に天皇をはじめとする根本的な国制を定めてはどうか。
改正条項は設けない。
あとの国防や国会、裁判所、基本権などは
別途「基本法」といったかたちで制定するという2階建ての構造。
「基本法」は出席議員の3分の2程度で改正できるようにしておいて、
時代の中で柔軟に対応できるようにしておく。
これぞ新憲法17条である。
現在は、改憲派と護憲派というくくりとなっているが、
まずは天皇を中心とする国制に賛成か、反対かをはっきりさせ、
その上で国防・安全保障について議論を深めていく。
そのことで誰が“日本人”ではないのか、はっきりしてくるだろう。
日本という土地の上に住んでいる人が日本人ではない。
天皇と共にはじまったわが国の歴史を共有し、
子孫にそれを引き継ごうとする人こそが本当の日本人である。
自民党では現行憲法の改正要件を定めた96条の改正だけを
先行してやってはどうか、という動きがある。
憲法の中身には手を付けず、
「各議院の総議員の三分の二以上の賛成で発議、国民投票の過半数の賛成」
とする96条の規定だけを先行して改正し、
憲法改正の壁を下げるというもの。
憲法の内容を変えるわけではないから、
比較的賛同を集めやすいのではないかと考えられているが、
護憲派左翼は9条を守りたいわけだがら、
「改正する必要なし」ということで、現実には賛同を得にくい状況も続く。
保守系からも「どんな憲法ができるかわからないのに、
改正要件だけ緩めていいのか」という見解もある。
それならば、まず「新憲法17条(仮)」を策定し、
現行憲法の内容は天皇条項を除き丸々「基本法」の中に入れてしまってはどうか。
その上で、あえて相手の土俵に立って、
「あなたは日本人の民意よりGHQの方針を支持するのか、
自国の基本法を国民が決する仕組みに反対するのか、
民主主義の否定だ」と問えば、返答に困るはずだ。
答えに窮して、「現代人だけ何でも決めて良いわけではない」などと言ってくれれば、
左翼が保守思想を語ってしまったことになる。
96条改正だけでこちらがそれを言ってしまったら、
「じゃあ天皇条項も議論の対象になるのか」と返されると保守派は困るだろうが、
先に「新憲法17条(仮)」を定めておけば、
護憲派左翼に逃げ場はなくなってしまうのだ。
さらには根本的な国制を定めた新憲法17条の部分に反対すれば、
皇室廃絶論者なのかどうか、議論の中でほぼわかるだろう。
「新憲法17条(仮)」の策定に当たっては、
わが国の誇るべき古典である604年(推古4年)の憲法17条と、
1889年(明治22年)の大日本帝国憲法を参照し、国の根本を定めればいい。
新憲法を制定することも重要だが、この議論を巻き起こすだけで、
日本人が否応なしに本当の“日本”を再認識することになる。
つまり、議論するだけで“勝ち”なのだ。
いきなり新憲法全文を策定するのは大変だし、時間もかかるので、
まずは新憲法17条をつくってみてはいかがだろうか。
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