女系天皇論は左翼のプロパガンダと同じ




漫画家小林よしのり氏は高森明勅氏の指導を受けて『新天皇論』を作成したが、

その中で北畠親房の「神皇正統記」には直系の正統性を示しているから、

直系であれば女系でもいいと書いたら学術的に木っ端微塵に論破され、散々な目にあった。

そこで高森氏はその後に記した自身の著作では

そんなことはなかったかのように微塵も触れていない。

ずるい人だ。


皇位継承制度をテーマにしたチャンネル桜の討論会でも、

高森氏は「神皇正統記は直系をうたいあげている」と発言している。

神皇正統記はどこをどう読んでも、

神武天皇から後村上天皇までの男系を基軸に皇統を記したものだ。

歴史学者として到底考えられない発言である。


シナ男系主義についても同じだ。

女系天皇論者は、日本の男系による皇統をシナ男系主義の影響であると主張した。

高森氏はシナ宗族制度について書かれた酒井信彦氏の論文を小林よしのり氏に提供して、

そのまま丸写し状態で漫画を書かせた。

ところが酒井氏は女系論者ではあるが、シナ宗族制度の説明をさんざんしたあと、

「シナ宗族制度は朝鮮半島には入ったが、日本には入ってこなかった。

だから男系に拘る必要はない」と締めくくっている。

要するに、朝鮮半島ではもともとあった朝鮮式の名前が、

「李」「金」「朴」など中国式の名前に変わっていった。

これはシナ宗族制度が入ったことの証であるが、日本にはそのような事実は微塵も存在せず、

酒井氏は日本には入っていないと断定している。


一方、小林よしのり氏は、酒井氏の論文を丸写しにしつつ、

「日本にシナ宗族制度が入ってきた」と、結論だけ正反対にした。

なぜそうなったのか、考えられるパターンは3つある。


@高森氏が論文を渡すときに、結論部分を変えてレクチャーして、

 小林よしのり氏はそれをそのまま信じて書いた。

A高森氏から論文だけを渡されて、

 それを読んだ小林よしのり氏が単純に結論だけ読み間違えた。

B高森氏から論文の結論を変えたレクチャーを受けて、

 小林よしのり氏もわざと結論をすり替えてプロパガンダとして使った。


@は論文を読まずに、他人から聞いた話を確認もせずに作品を描いたことになるので、

小林よしのり氏のすべての漫画の内容の信頼性を著しく下げることになる。

Aは致命的な国語力の欠如で、漫画であれ言論を描く資格はない。

Bは目的を達成するために事実関係を問わない左翼のプロパガンダと同じ手法となる。


@ABどれをとっても救いようはないが、高森氏は学者を名乗っているのだから特に酷い。

わざとプロパガンダをやったと考えられる状況証拠がそろっている。

『新天皇論』のあとがきには、高森氏が最終的なチェックを担当したことが記されている。


そもそも同じチャンネル桜の討論で、高森氏は

「シナ宗族制度が朝鮮半島を経由して入ってきた」と語っていた。

それを観て、私は「何だそれは?」と思い、すぐに調べはじめたところ、

酒井氏の論文が目にとまった。

しかし、結論がだけがすり替えられている。

そう思った矢先、当時、サピオで連載中だった「天皇論撃墜編」で、

「男系継承はシナ宗族制度の模倣」というタイトルの号が登場し、

内容は酒井氏の論文丸写しとなっていた。

もちろん、結論部分だけをすり替えて。

酷いことに、作品中、酒井氏の論文のそのまま引用であることに一切触れず、

最後の方に「元東大教授で朝廷儀礼の研究者、酒井信彦氏は

“女系天皇こそ日本文明に適う”と主張している」と紹介している。

これが学者の論文だったら、盗作騒動で大問題となっていただろう。


酒井氏の論文が公表されたのは、小泉内閣の頃で、

有識者会議が設置され、皇室典範の改正が論じられていた。

当時、小林よしのり氏は、皇位継承の議論について、特に関心を示していた様子もなく、

むしろ女系天皇を認める有識者会議の報告書に批判を行っていたほどだった。

酒井氏の論文の存在など露程も知らなかっただろう。

高森氏は当時から女系天皇論を唱え、積極的に活動していたから、

『諸君』という有名な雑誌に掲載された酒井氏の論文の存在を

当然に早くから知っていたはずだ。

この論文をどのようにして小林よしのり氏に渡したのか。

そして、丸写し状態でありながら、なぜ結論部分だけがすり替わったのか。

その真実を知っているのは、高森明勅氏、小林よしのり氏及びそのスタッフだけとなる。


いずれにしても女系天皇論は、このようにして主張されているという

客観的事実だけは明らかとなっているのである。








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