イスラムテロ問題のキーワードは近代
中東のイスラム原理主義による自爆テロと日本の神風特攻が
ちょくちょく比較されることについて、
神風特攻は軍事施設を狙ったものだから、
一般の民間人を多数殺害する自爆テロとは異なるという保守派の見解は、
間違ってはいないが少し的が外れていると思う。
第二次世界大戦当時の日本は世界の一等国で、アメリカと互角に戦争していた。
当初の太平洋における軍事力ではむしろ日本の方が圧倒していた。
零戦は世界最先端の戦闘機で無敵だった。
結果的に戦局が不利になったから、そういう戦法が採用されただけ。
中東のテロリストは当時の日本より遥かに遅れている。
江戸時代ぐらいじゃないか。
日本でも幕末には夷狄を打ち払えと言って、
西洋人を殺害したり、領事館を焼き払ったりした。
志士たちの中で頭のいい人たちがこれではまずいと思って開国に路線修正を行い、
日本はまたたくまに世界の一等国となった。
それでも明治になって、一部では廃仏毀釈という誤ったことが行われたりもした。
我々から見たら中東のテロリストは前近代なんだけど、
彼らにとってはまさに今が現代。
それをどう見るかということが大事な視点だ。
キーワードは「近代」だと思う。
日本はうまく近代に移行できたが、イスラムの国はなぜできなかったのか。
そこにはキリスト教とイスラム教という同根の宗教の問題があるのではないか。
日本は素直に西洋に学び、追いつけ追い越せ、ができたが、
イスラムではそうはいかなかった。
それがイスラム原理主義のテロ組織につながっている。
すなわち近代化ではなく、近代の否定へと向かっていくのだ。
しかし、そこには未来はなく、事態を泥沼化させていくだけとなる。
問題の本質はそう簡単に解決しない根深いものだと思う。
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