将来の靖國神社をどう考えるか
靖國神社に首相が参拝するかどうかということはよく論じられるが、
それは問題の半分でしかないということをご存知か。
現時点での首相の参拝は過去の英霊に対するものだ。
一方で靖國神社には未来の話もある。
憲法改正により国軍を持った場合、
これより先の軍人の公務死の扱いをどうするのか。
戦争はやらないにしても、PKOなどで軍人が死亡した場合、
かつての英霊と区別することになるのか。
あるいは靖國神社の国営化まで考えるか。
憲法を改正するときに、政教分離規定を改めるか。
例えば、現在のように国が一切の宗教行為に関わることを禁止する規定から、
特定の宗教にとって不利となるようなことや、
有利になるような行為だけを禁止するという内容に変更するのも一案だ。
それだと靖國神社施設だけを国有化して、
神職を業務委託方式で決めれば政教分離違反に当たらないと考える余地もある。
憲法9条を改正しても靖國をめぐる問題が現状のままであれば、
靖國神社は過去の歴史的遺産になってしまうことになる。
そのことについて誰も論じていないが、憲法改正を視野に入れるのであれば、
そろそろそういうことまで考え始める時期ではないだろうか。
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