総論賛成、各論難しい



天皇の譲位について私の意見は、総論賛成、各論難しい、という立場。

今上陛下がご即位されたのは55歳で、今の皇太子殿下はその年齢を超えている。

このままでは、60歳や70歳で即位する天皇も出てくる。

近代国家の象徴天皇として何が適切なあり方なのか、

天皇陛下は問題提起をなされた。


国民の8割が譲位に賛成という世論調査が出ているが、

それはあくまで総論の話。

難しいのは各論である。

実際に皇室典範を改正して譲位を可能とする法制度を実現しようとすると、

様々な問題が噴出するだろう。

昨日(8月26日)の「朝まで生テレビ」のテーマは

「激論!象徴天皇と“生前退位”」だったが、

譲位賛成派から具体的な案はなかった。

この問題は各論が難しいので、総論だけ論じてもあまり意味がない。

高森明勅さんが言った、

「客観的に天皇の役割が担えているかを判断できる制度」

というのも理解できるが、天皇の具体的な役割は時代とともに変化するし、

天皇によって、あるべき天皇の姿、象徴としての務めの内容は異なってくると思う。

昭和天皇と今上陛下でも象徴天皇像は異なる。

法制化するのはそんなに簡単ではない。


しかし、天皇から“お言葉”が発せられたわけであり、

その内容はとても納得のできるものであったと考える。

まずはやるだけやってみる。

それで国民が悪戦苦闘している姿を見れば、

天皇陛下もご納得されるかもしれない。

まずは前向きに検討してみる。それが大事だと思う。

その中で良い案が出てくるかもしれない。


私は天皇としてのお務めが少なくなって、

たまにしかお姿をお見せにならなくなっても、

ご存在されるだけで象徴天皇としての役割は果たせていると思うし、

国民の多くはそう考えているのではないだろうか。

まずは良い方法はないか考えてみて、

ダメだったらダメで、国民的議論となったことだけも、

天皇と国民の関係性は深まり、意味があると思う。

私が一貫して述べていることは、この問題に正解は存在しないということ。

正解は時間をかけて創っていくしかないのだ。





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