高森明勅氏の皇室典範改正案では一般人が天皇になれる?
皇室典範で譲位を制度化するのは難しいと私は考えているが、
元旦に放送された朝まで生テレビで
小林よしのり氏が
「譲位の制度化は簡単で、ゴー宣ネット道場のホームページに
高森明勅氏が作成した皇室典範改正案を載せている」
と豪語していたので、それを見てみた。
高森明勅皇室典範改正案
その改正案とは譲位の制度化だけでなく、女系天皇まで認めるものだった。
しかし、その内容に重大な間違いがあることに気がついた。
というよりこんなことは、ぱっと読めばすぐにわかることなのに、
この程度の確認もできないレベルなのかと疑問にすら思う。
なんと、この改正案では皇族ではない一般人も天皇になれてしまうのだ。
第2条の皇位継承順位の規定で、
皇長子、皇長孫と現行制度と同じく続いていくのだが、
女系を容認しているので、皇兄弟のところに姉妹と加えている。
そこまではいい。
問題は1項6号で、現行の「皇伯父及びその子孫」という規定を、
「皇伯父母及びその子孫」に修正している。
「皇伯父(おじ)」に「皇伯母」を加えたのだが、
天皇から見た伯父と伯母の双方いずれも皇族である可能性は低い。
男系であれば、皇伯父は必ず皇族になるのだが、
女系を容認すると伯父は必ずしも皇族であるとは限らない。
伯母はもちろんのことだが。
女系を採用すればこの部分だけでも複雑になる。
歴史的な経緯を無視して、自分たちの頭の中だけで考えた制度など、
所詮はこの程度で、いかに浅知恵であるかということがよくわかる事例だと思う。
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