政治は三流、皇室は超一流



以前、あるところで近代国家と天皇制度について講演したとき、

終了後に参加者からこんな質問を受けたことがある。

「立憲君主制により天皇は一切政治的な意思を表明しないのであれば、

共和制でも同じではないか。共和制だとダメなのですか?」

その人は左翼の天皇制廃止論者ではない。

素朴な疑問として頭に浮かんだそうだ。 私の回答は次のとおり。

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制度としてはほとんど変わらないでしょう。

しかし、そんなことは本質的な問題ではありません。

国家の秩序を維持しているのは制度ではないからです。

制度が立派であれば暮らしやすい社会が実現できるのなら、

世界中が日本の制度をまねすればいいだけのことです。

簡単な話です。

日本が世界で一番安全で暮らしやすいのは、制度が立派だからではありません。

一人ひとりの人間がこの秩序をつくり出しているからです。

古くから伝わるものを大切にする心が、道徳心や公の精神を形成し、

それが秩序となっています。

このようなことは短時間でつくることができないからこそ、

他国にはまねができないことなのです。

古くから伝わるものを大切にする人たちにより生まれた制度が

天皇を頂点とする立憲君主制であり、

その制度がまた人々の心を育むという相乗効果によって国が成り立っています。

ですから、単なる制度の問題ではなく、

これは日本人としてのあり方の話なのです。
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日本は、「経済は一流、政治は三流」だとよく言われた。

その経済も一流と呼べるかどうか微妙となってきている。

しかし、経済はともかく政治が三流でもそれなりにやっていけるのは、

その上にある皇室が超一流だから。

日本のトップは政治家ではなく天皇。

天皇を中心に積み重ねられた歴史と伝統に基づく国柄が一流なのだ。








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