本人と他者から見た自分のアンバランス



ぼくは自分のことを運動神経が悪いと思ってきた。

小学生のころは、阪神タイガースの掛布選手の大ファンで、

野球をやりたいと思ったが、極度の運動音痴で、

ボールを打つことができないほか、早い打球をキャッチすることもできない。

掛布と同じサードを守ってみたかったが、

軟式であってもボールが恐くて打者も守備もできない。

ソフトテニスのボールのような当たっても痛くないボールだと楽しく遊べた。

球技はだいたいそんなレベル。

ところが、最近、雑談でその話になったときに、

ぼくは運動神経が悪いのではなく、

極度にドンくさいだけなんじゃないかという議論になった。

確かに子供のころから短距離走は、一番ではないものの標準より早く、

上位グループには入っていた。

走り幅跳びもそれなりに飛べたかが、ハードルが苦手だった。

鉄棒も跳び箱も普通にできた。

運動のできない子は鉄棒も跳び箱もできなかった。


日頃から、体の動きは比較的俊敏なものの、

よく机などに体をぶつけたり、つまづいたり、物を落としたりすることから、

どうやらぼくは単にドンくさいだけではないかと。

運動神経とドンくささは違うのか。

どうなのだろう。


体が硬いのも原因かもしれない。

タレントの武井壮が面白いことを言っていた。

自分の想像している自分の姿と、他者から見た自分の姿が一致すると、

すごいスポーツ選手になると。

武井壮が子供の頃、自分が野球をやっているところをビデオ撮影をしてもらい、

それを見たときに愕然としたらしい。

思っていた自分の姿とまったく違ったと。

そこからそれを意識して練習するとスポーツが上達したという。


ぼくは体があまりに硬いので、自分がイメージしている以上に、

実際には体が動いておらず、

そのアンバランスが大きくドンくさくなっているのかもしれない。

食べ物をよくこぼすのは、しっかり箸でつかめている、口に運べていると

自分では思っていても、現実には体がついていっておらず、

ズボンに落としてしまい「あちゃー」となるのではないか。

自分が考える自分、第三者から見た自分のアンバランス。

仕事でのコミュニケーションなど、あらゆる面で当てはまることだと思う。

なぜ自分は何事もうまくいかないのかと悩んでいる人は、

その点を意識すると案外うまくいくようになったりするかもしれない。






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