今も古代が生きている日本

 

チャンネル桜でもおなじみの、作曲家のすぎやまこういち先生は、

よく京都の御所のお話しをされます。

京都御所には巨大な城壁もなければ、堀もありません。

天皇が国民を信頼し、国民も天皇を尊敬していたことが、

形になって表れているということを、京都に行くたびに感じると仰せになられます。

 

現在の京都御所の周囲に設けられている生け垣は、明治時代につくられたもので、

それ以前は小さな塀が一枚あるだけでした。

立派な生け垣に樹木が生い茂っていると、威厳が感じられますが、

塀が一枚だと、さらに身近に感じられたことだろうと思います。

その塀は、時にはボロボロで壊れている箇所もありました。

すぎやま先生が京都に来られるたびに感心していただいておりますが、

実際はそれ以上だったということです。

 

歴史的に海外の王室は、君民が対立関係となります。

王室と民衆は常に利害対立構造にありました。

つまり権力者と非権力者、支配者と被支配者の関係です。

特に長く国を持てなかったユダヤ人は、常に迫害の対象となる経験から、

多くの革新思想家を輩出しました。

ルソーの社会契約論も君民対立が前提となっています。

 

世界で君民一体なのは日本だけとなります。

天皇は国家国民の安寧を祈り、国民は天皇を敬愛する。

西洋人からすれば理想型となる国のあり方が、日本には存在していたのです。

もし、ルソーが日本の存在を知っていたならば、

社会契約論は生まれなかったのではないかという話もあります。

私はルソーはそんなに甘い人間であるとは思っていませんが。

 

現在の皇居は、江戸城跡となるので、

立派な石垣と堀が周囲に設けられているのが、少し残念ではありますが、

外国人は京都の御所をよく観光するので、そういった機会を利用して、

日本古来の国体のあり方をPRすれば、どれだけ素晴らしいことでしょうか。

ただし、宮内庁や京都府、京都市は何もやっていない。

 

尊敬する渡部昇一先生や田中英道先生、加瀬英明先生、篠沢秀夫先生ら、

みなさんが共通して述べられることは、日本には今も古代が生きているということです。

私の家のすぐ近くにある上賀茂神社(正式名・賀茂別雷神社/かもわけいかづちじんじゃ)は、

世界文化遺産に登録されていますが、それには若干の違和感があります。

世界文化遺産などという概念は欧米の考え方であって、我々は現在進行形でその遺産を使っている。

わが家は上賀茂神社の氏子です。

単なる遺産ではなく、古代と現在がつながっているのです。

滅びた古代ギリシャのパルテノン神殿などと一緒にされては困るという気持ちはあります。

伊勢の神宮は、まさに古代を体現した神社の象徴なのです。

 

古代が今もなお生き続けており、君民一体、万世一系の皇統が存在する。

皇室のはじまりと同時に、日本国の歴史がはじまりました。

つまり、日本国の歴史は、イコールで皇室の歴史となり、このような国は、世界にはありません。

欧米の概念では、日本そのものが世界文化遺産ということもできるでしょう。

 

人間には人柄があるように、国にも国柄があります。

世界最古の国である日本は、世界でも最も個性豊かな国となります。

それを家庭や学校教育の現場で子供たちに教え、

自信と誇りを持った日本人を育てて行くことができれば、

日本の永遠は約束されるということです。




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