皇室を語る弁え
ゴー宣ネット道場のブログによると、次回のゴー宣道場では、
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野田首相が「緊急性の高い課題」 と認識を示して以降、
再び注目を集め始めた『女性宮家創設』についても、
道場の冒頭で議論することが決定しました。
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・・・だそうです。
必死になって女性宮家に反対していただけるのでしょうね?
というのは、かつてゴー宣道場で次のような発言がありました。
(単行本『ゴー宣道場』から)
ますは参加者からの質問です。
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私の立場はこれまでずっと男系論者です。
最近、小林先生の女系論を読んで、一部修正案を考えています。
男系絶対か、女系容認かという二者択一ではなく、折衷案として基本を男系に置きつつ、
言い方は悪いですが、“保険”として女系宮家を認めてはどうか。
(中略)
今すぐ女系容認に振れるのは早急ではないかなと思います。
ですから、基本は男系に置きつつ、現在のように危機的な状況においては、
女性宮家も認めるというのはどうでしょうか。
(117-118頁)
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これぞ、まさしく現在、政府が進めようとしている女性宮家の考え方そのものです。
これについて小林よしのり氏は何と答えるのか見てみましょう。
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あなたは設計主義的に頭の中だけで考えているんですね。
(118頁)
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設計主義の意味をわかっているのでしょうか。
歴史・伝統をふまえないで、頭の中だけで制度を考えることを設計主義といいます。
質問者は、今すぐ女系容認は早急なので、
これまでのやり方をふまえた上で、女性宮家を提案しようとしている。
いったいこれのどこか設計主義となるのでしょうか。
いずれにしても、現在、政府が検討しようとしている女性宮家は、
小林よしのり氏からすると設計主義になるので、
皇室に設計主義を持ち込もうとする政府・宮内庁に敢然と批判していただけるのでしょう。
さらに小林氏は、同じ質問者に対して次のように語っています。
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悠仁様が優先されることになれば、旧宮家復活とセットですから、
そこへ皇統を移したらどうなるか。
もし悠仁様の次ぎに男子が生まれなければ、
もう旧宮家から作った新宮家に皇位継承権を移すしかないんです。
(119-120頁)
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悠仁親王殿下は天皇陛下の孫にあたり、
皇孫として、歴史・伝統に照らしても、新旧皇室典範に照らしても、
正統な皇位継承者です。
悠仁親王殿下そのものの正統性を無視して、
勝手に旧宮家とセットになるからと考えて、
悠仁殿下に皇位を継承させてはならないと述べる。
こんな不敬な発言があるでしょうか。
いずれにしても、悠仁殿下に皇統を移してはならないと述べた以上は、
政府が検討している女性宮家を設計主義だと批判し、
悠仁親王殿下の皇位継承を阻止する運動をしなければならないはずだ。
このことを記した章のタイトルが
<皇室を語る「弁え」>
となっている。
これは小林氏自身のために考えられたタイトルではないでしょうか。
小林氏は皇室を語るレベルではない。
皇統を語るには、あまりにも早すぎた。
また、小林よしのり氏はブログで次のようなことを語っている。
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宮内庁長官と前侍従長がそろって
「女性宮家創設」を急がねばならないと言ってるのだから、
当然これは天皇陛下の御意思であることは察知できそうなものです。
(12月4日)
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これはすでに皇學館大学の新田均教授によって論破されていることですが、
小林氏は『天皇論』で宮内庁による祭祀簡略化を痛烈に批判している。
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(昭和44年に)入江氏は侍従長に就任するや、
まだ昭和天皇がお元気なうちから「ご高齢」を口実に祭祀の簡略化、
というより破壊に着手した。
昭和天皇はただ一人で、できる限りの抵抗をなさり、
今上陛下も祭祀を守ろうとするお気持ちは、決して先帝に劣らない。
しかし昨年(08年)、天皇陛下が体調を崩されたのを機に、
宮内庁は再び祭祀の「簡略化」を打ち出した。
その内容は、入江氏が行った祭祀破壊をそっくり「前例踏襲」するものになっている。
『天皇論』(100頁)
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08年とは、現在の宮内庁長官である羽毛田信吾氏はすでに就任している。
つまり、『天皇論』での批判は、羽毛田長官に対して行われたものです。
羽毛田長官は天皇陛下の御意思により、祭祀破壊を実行したことになるのか。
また、渡邉允前侍従長は、『諸君』(平成20年8月号)のインタビューで、
祭祀簡略化を進めようとしたが、陛下がお認めにならなかったという事実を語っている。
つまり宮内庁長官や侍従長は、陛下の御意思を代弁しているものではないということです。
陛下のお側にいる人間が、陛下の意を反映しているような振る舞いをすることこそ、
慎まなければなりません。
陛下の周りにいる人間が、勝手に陛下の意を語り、
政治を進めていくようなことは、あってはならないことです。
最後に秋篠宮殿下が御誕生日の記者会見で
お話になられたお言葉について考えてみたい。
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いわゆる皇室の制度については、皇室典範があります。
制度論については、これは国会の論議に委ねることになるわけで、
私が何か言うということではありませんけれども、
その過程において、今後の皇室の在り方を考えるときには、
何らか、私若しくは皇太子殿下の意見を聞いてもらうことがあって良いと思っております。
(文仁親王殿下お誕生日に際し)
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小泉内閣の有識者会議の頃から同じであるが、
政府の方向性というのは、常に女系の方向となっています。
陛下や殿下が繰り返し国会の論議と、皇室のあり方を分けて考えられるのは、
政府の進め方に問題があるからではないでしょうか。
断言はできませんが、その可能性がある以上、
よほど慎重でなければならないと考えます。
安易に宮内庁長官や前侍従長が、陛下の御意思を反映していると言い切り、
勝手に忖度するようなことは、許されるべきではないのです。
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