左翼のモグラ叩き

 

6月に出版した拙著『皇統は万世一系である』ですが、

読んでいただいた方はご存じのとおり、

第一部で皇位継承論を述べており、

第二部では保守思想から皇統を守ることの意義について論じています。

この第二部が非常に好評で、

「タイトルや第一部の女系天皇論批判が前面に出過ぎて、

埋没しているように見えるのがもったいなく、

独立した本でも良かったのでは」という意見もいただきました。

ただし、単なる女系天皇論批判、小林批判になるよりも、

そもそもなぜ皇統を守らなければならないのかという、

根源的なところを語りたかったので、入れることにしたという経緯があります。

 

先日、田中英道先生が警戒されている

「二段階革命理論」について当サイトのコラムで書きました。

「ソ連の崩壊により、保守・革新の対立構造は古い」という意見もありますが、

男女共同参画・ジェンダーフリーや、人権擁護法案、外国人参政権、

夫婦別姓、非嫡出子の平等相続など、冷戦期よりひどい思想が猛威をふるっています。

 

基軸となる思想・哲学なしに、これら外来思想に対して個別に対応すれば、

“モグラ叩き”や“イタチごっこ”と同じで、延々と続けることになり、

こちらが消耗させらてしまうことになります。

叩いても叩いても、次から次へと、顔を出し続けるでしょう。

 

しかし、日本人として基軸となる思想・哲学があれば、

いくら雑多な革新思想が横行しようとも、

一切動じることも、ぶれることもありません。

太陽を照らし続けることによって、

首を出したモグラたちは、自ら穴の中に逃げていくでしょう。

フランシスコ・ザビエルがキリスト教布教のため、日本にやってきたときに、

すでに日本の道徳秩序は完成しており、まったくやることがないと本国に伝えたように、

基軸がしっかりしていれば、恐れることは何もないのです。

逆に“幹”がだめになっていれば、

いくら枝葉がしっかりしていても、すぐに限界が訪れるでしょう。

背骨のしっかりしていない人間は、いくら手足を動かそうとも、たいした力は出ないのです。

 

確固たる日本人の基軸を持つというのは、そんなに難しい話ではありません。

小難しい思想・哲学書を読まなくても、ものの考え方をしっかり組み立てれば、

誰でも革新思想を見抜き、打ち負かすことができるのです。

「第二部保守思想」をさらに発展させて、

専門家でなくても、「これだけを読んでいれば誰でも

左翼学者にも負けることはない」という書物を

いずれつくることができるよう頑張っていきたいと思っています。




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