口呼吸を治すトレーニング(西原克成著『呼吸健康術』より)

 口呼吸を治すトレーニングとして、最も簡単なのは、無糖のガムを噛むことです。ガムを噛むと、扁桃リンパ輪(喉の奥にあるリンパ組織)の免疫器官がたいへん活性化します。また、しっかりと口を閉じて噛むことにより、顔面表情筋の力がアップし、寸足らずで開きっぱなしだった唇が、少しずつ閉じやすくなってきます。また、下の図のようなくちびるの運動も効果的です。寸足らずのくちびるを指でつまんで、上くちびるは下に、下くちびるは上に引っ張って、長く伸ばすことを繰り返します。また、口の角に手の指を入れて左右に引っ張って、顔面表情筋を鍛えればさらに効果的です。(ただしこれらは、人の見ていないところでやることをお勧めします。)

寸足らずの唇を、上下左右に引っ張ると、口を閉じやすくするとともに顔面表情筋を鍛えることが出来ます。

 また、鼻呼吸をしながら、口を閉じて(ガムを)噛み癖でない方でリズミカルに噛むことにより、顔のひずみが少しずつ改善されていきます。

 鼻呼吸をするときには、頤(あごのとがった先)を引いて、腹式で鼻腔を大きく広げて呼吸をします。くちびるを閉ざして舌骨を下に下げて、舌を奥の方に引っ込めて、鼻に空気を通します。この時注意してもらいたいことは、歯と歯をがちっと噛み込まないということです。くちびるを閉じて歯と歯を噛み込むとその力で歯が沈み込んでしまいます。歯と歯は1ミリほどあけるような感じで、安静位を保つようにして下さい。

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