かたちと関係の風景デザイン
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新しい城づくりは慎重に

生活環境問題研究所 山本 茂

 

 

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 わたしの郷里は城下町津山。 高校時代、 碁盤目状につくられた町中を歩いて高校に通い、 帰りはあちこち道草した。 数年前、 津山は中心市街地活性化のモデル地区として、 念願の市街地再開発を達成した。 その手法は、 複数の街区にまたがって、 商業・娯楽・文化・交流などからなる複合機能ビルを建てるもので、 東西南北どの道を歩いていってもそのビルの壁に突き当たる。 当初は、 大胆で面白いと思ったが、 周辺の商店街が大打撃を受け、 おまけにビルの経営も行き詰まると、 再開発そのもののプランが怪しく感じられる。 私の思い出が詰まった津山の風景は、 大きく変わった。 平成の城を建てるつもりだったのかもしれないが、 城はひとつでよい。 地域の風景を根底から変えるのは、 犯罪に等しい。

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