2本のRCの柱で支えられ、 空中に浮いたステージの上に、 そっと自然の中に佇み、 けれども自然の力にまけないような骨太の木造の家が載っている。
山の斜面にポツンと佇む小さな個人住宅ではあるが、 直接は一緒に見えはしない農村や水田の風景と共生するまちなみを実は大いに意識している。 ほとんど緑にかくれていて、 建ちならぶというには連続性がないようにも思えるが、 共有する空間環境という意味では、 とても重要なまちなみなのである。
「朝、 窓の外は雪かと見まがうほどに厚く霜がおり、 それが、 陽がさし気温が上がる頃になると白い湯気となり一種幻想的世界です。 今田町の初めての冬、 味わっています。 」 −施主からの手紙より。
意識としての町並み・空中緑間住宅
現代計画研究所 江川直樹
兵庫県多紀郡の、 小さな集落の手前の水田に面した急斜面地に、 空中緑間住宅「今田町の家」がある。 4年前の竣工だ。
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