かたちと関係の風景デザイン
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自己管理で守る町並み

立命館大学 山崎正史

 

 

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 祇園石段下、 四条通より南は祇園町南側と呼ばれる。 明治時代に開かれた所で、 花街の子女に裁縫などを教育する「女工場」を作ったのがきっかけだった。 その後「八坂女紅場学園」となり、 花見小路両側の一帯は同学園が土地所有している。 町の風情が生業に切り離せないことから、 建て替え・改築などを地主の立場で管理し、 景観保全につとめてきた。 学園運営は実質お茶屋組合が行っている。

 バブルの頃、 3階建てへの改築が相次いだ。 傍目から、 そのデザインが気になっていたら、 三村浩史先生主催の研究会で、 奇しくも祇園町南側の土地管理を請け負っている吉村勤之介氏とお出会いし、 1990年以来、 建て替え・改造のアドバイスを続けている。 施主、 設計者に出向いて頂いて八坂会館の一室でデザインを協議し、 後日結果を学園理事会が承認する。

 市の歴史的景観保全修景地区の指定を受け、 住民側の地区協議会も結成されて、 今では女紅場と協力体制をつくっている。 今年、 花見小路の電線地中化と石畳が完成した。 町並みがヴェールを脱いだような印象だ。

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