思い返せば1973年から翌年にかけてのこと、 青年会議所から依頼を受けて、 八幡堀修景計画案を示すパンフレットを作った。 ヘドロに埋まり悪臭を放つ堀を、 埋め立てて有効利用しようという市民の声が大きくなったのをきっかけに、 青年会議所が近江商人の町の伝統を示す歴史的景観として保全しようと、 運動を始めたのであった。 こういう意識は全国的にも実に早い。 理事長だった川端五兵衛氏は、 伝統ある町から素直に本来なされるべき「まちづくり」を考え、 人を説き、 実現してゆく人だった。 氏は中央官庁へも単独直訴した。 仲間も多く、 歴史ある地方都市の力に感心したものだった。
その後、 町並み保存調査も担当したが、 川端氏が今や市長の任にあり、 公民館や橋のデザインなど、 今もアドバイスさせていていただいている(写真上は現況、 下は浚渫だけした頃)。
熱意を持続し実現する
立命館大学 山崎正史
風景づくりは持続する熱意が要る。 近江八幡の町と人にそれがあった。 20数年にわたって、 そのお手伝いをしてきたが、 実に幸運なことだったと思う。
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