「われわれの時代には、 新しい装飾など考案されないことこそ、 この時代が偉大なることのあかしなのではないか、 われわれは装飾を克服したのだ……装飾がないことは精神的な強さのしるしである……」と、 論文「装飾と犯罪」(1908)で主張したアドルフ・ロースによるこの建物は、 周辺の雰囲気を壊すとして市民の反感を買い、 建設反対運動が起きた。 後世、 このデザインは、 ウィーンの社会・文化批判の建築的実践であり、 いとも簡単にきっぱりと過去と決別し、 合理主義を強く前面に押し出した、 後の近代建築とはまったく異なるものであると評される。
□幕張ベイタウン、 パティオス11番街(千葉市)
スティーブン・ホールによるこの集合住宅(1996)も、 リズミカルなパンチング開口が特徴的だ。 「大きなスケールを持ったサイレント・ビルディングに、 異なるスケールの構築物を付加することにより、 人の目の高さから知覚されるスケールの相関変化が試みられ、 これら個々の「音」が、 囲い込む建物によってもたらされた重々しい静けさに侵入し・・」との解説。 過剰なまでの同質のデザインに溢れた周辺環境の中でのリリシズムとサイレントさ。 住戸プランにはまったく左右されない開口。
スッキリクッキリ
パンチング・ウィンドウ
□ロース・ハウス(ウィーン)
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