カラダ・アタマ
これはモードだ
われわれの周りには、 都市空間を形成している様々な“ランダム(非整列的)”な形が氾濫している。 それらは結果を“意図”したというより、 目前の個別的要求を“とりあえず”満たす無意識の判断の集積といえる。 これらは、 形態としてみれば「無秩序」に見えるが、 時間やコスト(およびある種の情報、 知識)といった事柄に支配される「秩序」があると見ることもできる。 これらには共通する「形態」を読み取ることができ、 その意味でひとつの「型」=モードということができる。 これらがどのような「空間的秩序」を持つかは、 まだ解明されているとはいえないが、 自然界における「早もの勝ち」の仮説(種村正美、 文部省統計数理研究所日本経済新聞、 96. 2. 24 朝刊/上野泰「路地空間の可能性」1998年6月、 JUDI尾道ゼミで紹介)を当てはめることができるのかもしれない。 これらは、 無意識的であるという意味において、 いわば「身体的モード」といえるだろう。 ダンボール・ハウスに対する大竹昭子の「ミノムシや蝶のさなぎに似た造型感覚」があるという指摘(朝日新聞 2003. 8. 24、 朝刊、 12面「読書」欄)は、 その意味で当を得たものといえる。
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