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バーチャルリアリティシステムを使って

 

 最後にバーチャルリアリティシステムをつかった仕掛け、 環境デザインをするためのきっかけづくりを紹介させていただきたいと思います。


天神橋商店街の試み

 
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天神橋商店街の現状
 
 これは島根県の松江市の天神町通という商店街です。 商店街の照明計画を検討するのにバーチャルリアリティシステムを利用した事例です。 地元のまちづくり協議会の会合にその都度データを持って行って、 三次元の環境の中を見てもらいました。 まず、 現状の商店街の照明器具を映し出し、 「こんな照明はよくないね」というような話をその場で皆さんでしてもらうわけです。 そして「ではどうやったらいいのか」と考えるわけです。 視点の向きを変えながら、 あるいは2階3階と高さを自在に変えながら見ていきます。

 

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夜の天神橋商店街の現状
 
 昼間の景観検討をまずやって、 具体的に夜の状況を見てみますと、 特に深夜は街灯が消えて、 防犯灯がポツポツと点いている状態です。 この中を歩いてみると非常に暗い。 これで良いのかという話です。 「もうちょっと明るい方がいいよね」とか、 「こんな防犯照明は駄目だね」とか、 暗い所があれば「この辺にあかりをつけたいね」という意見が出てくるわけです
 
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夜の天神橋商店街への提案
 
 そこで現況のすずらん灯のようなものはやめて、 灯籠のようなデザインを選んでみたり、 防犯灯は投光器のような小さなものではなくて、 ブラケットのようなものを両サイドにつけてはどうかとか、 そんなことをみんなで話し合って決めていくわけです。

 この時に照明の色温度というものがあるんですが、 白い光がいいのか、 あったかい光がいいのか、 その辺の所もこれで確認していただきました。 ずっと行くとアーケードがあるんですが、 そこでは蛍光灯がライン状についています。 現在、 アーケードの見直しであるとか、 照明の見直しなど、 バーチャルリアリティシステムを使いながら検討を進めていると聞いています。

 

 太陽が生命体に与える根元的な光が光のモードとしてあるのであれば、 これからつくられる新しいあかりと照明が、 そのモードに触れることで、 今つくられているあかりというものが継承されていくのではないかと思います。

 そして継承される場面づくりとして、 みんなが集まる仕掛けとか、 ITツールを使っての仕掛けが要求されるし、 していかねばならないのではないかと思っています。

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