・あかりのいえなみづくり:商店街沿道や路地・横丁に賑わい感ある灯りづくりを支援。まち全体を徐々に電球色の暖かい街灯に包まれるよう演出。町内会と企業・マンションが協力し、防犯活動にも寄与。聚楽横丁での活動は、NHK総合TV「ご近所の底力」でもとりあげられる。
・まちかどガーデニング:商店街と地域の人が一緒に行っているガーデニングのコーディネート。
既に地域内に5つのスモールガーデンと約50基のコンテナを設置。ハイキングなどの企画も。
コミュニティ型情報発信
ミニコミ誌発行、報道窓口機能、まちのポータルサイト「新開地ファン(Web)運営、マップの制作と配布、
新開地100年PR委員会 など。
まちづくりスクエア・ストリートギャラリーの運営
文化芸術団体やサークル活動に利用できる事務所ビル内スペースの提供と活動のマッチング。若手アーティストを中心に企画展や個展が開催できるミニギャラリー、ストリートギャラリーを設置・運営している。
パートナーシップ型まちづくり
・神戸市主要部局との定期協議:
年2回の意見交換会開催と事業や課題ごとに随時ミーティングを開催。
地域再生のためのビジョン・事務スケジュールを常に共有するようにしている。
・まちづくり協議会の事務局機能:商店街・自治会などへの連絡、課題などの調整を適宣行っている。
・文化芸術団体の活動支援:新開地と関係のある団体の広報支援や活動場所の案内・提供など。特に神戸アートビレッジセンターやまちづくりスクエアの会館利用団体との連携を密に行っている。
・まちづくり視察受け入れ:新開地のまちづくりや「新開地まちづくりNPO」についての紹介、解説などを行う。また、他地域の支援のためのまちづくり人材サポートも検討中。
何が違うのか
新開地まちづくりNPOの活動が確実に実を結びながら進行している理由を一言で語るならば、「とことん地元に密着しながらマネジメントされている」ことだろう。
筆者も、あかりの専門家として新開地の多くのプロジェクトに関ってきたが、他の地区ではなかなかうまくいかない様々な取り組みがここでは成り立つ。その理由は「地味でこつこつとした地域住民との気持ちのすり合わせを丁寧に細かく行っているNPOの存在」があるからだ。事務局長古田氏の地域活性化への情熱は、時には地域の人々の代弁者として、時には個別の専門家言葉の翻訳家として、またプロフェッショナルな企画者・プロデューサーとして、関る者皆を動かしている。
これからの課題
ここでの多くの参加型イベントが毎年集客数を増やし、
街のインフラ整備も確実に地元主導で結果を出せているにもかかわらず、本当の目標にはまだまだ到達していないと古田氏は言う。「地域の本当の活性化は、地元の店舗にもっと活力がみなぎり、地域の人々が新開地でより多くの時間を過ごすようになること。地元商業の活性化にさらに力をいれていきたい」「昭和の新開地のもっていた芝居や映画に代表される歓楽街の風情、大人の遊びにあふれる街を今の視点で丁寧につくっていければ」。
多くのメニューを同時に行うことで、活動全体のボトムアップ、スタッフのモチベーションアップにつなげ、今年は地区の100周年ということでさらに活気づく「新開地まちづくりNPO」の活動に期待したい。